[2020_04_10_03]巨大防潮堤 建設せず 東電「切迫した津波優先」(東奥日報2020年4月10日)
 東京電力福島第1原発では2011年3月の事故発生直後から、津波の再襲来に備える必要性が指摘されてきた。東電は廃炉作業との兼ね合いや、必要な時間と効果を考慮しながら対策しているが、太平洋側にある他の原発のような大規模な防潮堤は建設しない。「まずは切迫性がある津波への対応を優先し、早く実現できる対策を進めている」と説明する。
 東電はまず、東日本大震災のようなプレート境界の地震後に誘発される恐れがある「アウターライズ地震」による津波への対策を実施。11年6月、高さ12・7メートルの仮設防潮提を4号機東南側に設置した。さらに千島海溝津波への備えとして、11メートルの防潮提を1〜4号機の東側に建設している。
 しかし東日本大震災級の津波はこれらの防潮提を超えるため、各建屋の開口部をふさぐ作業を計画。汚染水の発生源となっている1〜3号機の原子炉建屋を優先している。注水や電源設備は津波で壊れると想定し、高台に備えた消防車や電源車で対応するとしている。
 さらに24・9メートルの津波も想定し、除染装置から出た高濃度の放射性廃棄物を高台に移す作業を続けている。
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