[2020_03_07_04]東北電力次期社長 樋口氏(国見出身)に聞く グループ変革決意強調(福島民報2020年3月7日)
 
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東北電力次期社長 樋口氏(国見出身)に聞く グループ変革決意強調

 四月一日付で東北電力の社長に昇格する樋口康二郎副社長(国見町出身)は六日、社長就任を前に福島民報社のインタビューに応じ、ビジネスモデル転換に向け、東北電力グループ全体の変革を進める決意を強調した。

 −社長就任に向けた抱負を伺う。

 「お客さま・地域社会との信頼関係を大切に事業を運営するという当社の経営の原点に常に立ち返りながら経営の舵取りをする。誠実に、謙虚に、お客さま・地域社会の声に寄り添い、グループの着実な成長と地域の持続的発展に貢献できるよう覚悟を持って臨む」

 −先日公表の「中長期ビジョン」でビジネスモデル転換に向けた構想を打ち出した。

 「電気事業は電力需給構造や社会構造が変化し、これまでの延長線上の事業では持続的に成長できない危機感がある。従来の枠を超え、スマート社会実現に向けた事業に取り組む。次世代デジタル技術などを活用して社会課題を解決し、地域住民が快適、安全、安心に暮らせるスマート社会の実現を目指す事業へと、ビジネスモデル転換に挑戦する。先頭に立ってグループ全体の変革を進める」

 −大規模化する災害への対応は。

 「広範囲な供給エリアと厳しい自然条件を抱えながら多くの自然災害を経験し、ノウハウや技術力を積み重ねてきた。引き続き災害対策の強化を図りながら、お客さまに安定した電気をお届けできるよう全力で取り組む」

 −福島県出身者で初の社長就任となる。

 「福島県での勤務は東日本大震災で甚大な被害を受けた原町火力発電所で働いたのが初めてだった。当時、生まれ育った福島での復旧工事を通じ、県のために役立てるとの思いで仕事に当たった。復興はまだ道半ば。原発事故で避難されている方々の気持ちに寄り添い、少しでも早く帰還できるよう、地域の復興や発展のためにできる取り組みを一つ一つ積み上げていきたい」

 ひぐち・こうじろう 国見町出身。福島高、東北大工学部卒。1981(昭和56)年に入社。主に火力発電部門を歩み、2011(平成23)年から2年間、南相馬市の原町火発の所長を務めた。常務火力原子力本部副本部長などを経て昨年6月から副社長。62歳。
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