[2020_02_15_01]辺野古「軟弱」地盤示すデータ 防衛相、強度試験を否定(東京新聞2020年2月15日)
 
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辺野古「軟弱」地盤示すデータ 防衛相、強度試験を否定

 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設を巡り、埋め立て予定地の海底地盤から「軟弱」と示すデータが検出された試験について、河野太郎防衛相は十四日の記者会見で「(地盤の)強度の試験ではない」と述べ、本紙の取材や国会質問への説明は「適切だった」との見解を示した。防衛省の国会提出資料には、このデータについて「強度」と明記されており、河野氏の説明は矛盾する。
 粘土層が最も深い海面下九十メートルまで達している「B27」地点での地盤について、防衛省はこれまで国会質問や本紙の取材に「強度の試験はやっていない」との説明を繰り返し、データの存在を伏せてきた。
 この日の会見で河野氏は、記者から「簡易的であっても強度の試験。国会でも強度の試験をやったのかと質問している。虚偽説明ではないか」と問われると、「土の状況を見る試験で強度の試験でもない」と断言した。
 国会提出資料に添えられたB27地点の「軟弱」データには、地盤の強度の値を示す「Undrained Shear Strength」との表記がある。鎌尾彰司・日本大准教授は「非排水せん断強度という意味で、間違いなく地盤の強度。防衛大臣の説明はありえない」と指摘する。
 「軟弱」データを巡っては、二月に報道で発覚すると、防衛省は「簡易的な試験」と主張。正規の方法とみなす「力学試験」に当たらないことを理由に「試験はやっていない」との説明が虚偽ではないという論法で批判かわしにかかっている。

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