[2020_02_06_08]建屋の排風機故障 原燃、保安規定違反 規制庁検査結果(東奥日報2020年2月6日)
 
 原子力規制庁は5日、2019年度第3四半期(19年10〜12月)の保安検査結果を公表した。日本原燃の六ヶ所再処理工場で発生したウラン・プルトニウム混合脱硝建屋の排風機故障について、原子炉等規制法に基づく保安規定違反に当たると判定した。
 故障は19年8月26日に発生。A、Bの2系統ある「第1排風機」のうち、稼働していたB系の駆動用ベルト5本が全て外れた。ベルトは本来、耐久性が高いグレードを使うこととなっていたが、標準型が装着されていた。当時A系は点検中だった。
 規制庁は、ベルトの注文段階で要求すべきグレードが明記されず、納入段階でも襟認していなかったーなどと指摘。さらに同年6月、A系でもベルト5本中2本が外れる事象が発生しながら、それを是正するための活動が十分に行われなかったと判断した。
 一方、第1排風機と直列でつながる第2排風機は作動し、排風機の機能であるタンク内部の気圧を外部より低く保つ負圧が維持されたことや、原燃の再発防止活動が実施中であることから、違反区分は最も軽い「監視」とした。
 原子力規制委員会の更田豊志委員長は5日の定例会合で、今回の保安規定違反の内容について「負圧の機能が維持されたとはいえ、それぞれ排風機が持っている意昧は再処理施設では重要。重大とは言わないが、たちが悪い」と述べた。
 原燃は同日、「今回の判定を真撃に受け止め、引き続き再発防止に取り組んでいく」とコメントした。
     (三好陽介)
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