[2020_02_06_01]東海第二原発訴訟で原告側弁論(NHK2020年2月6日)
 
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東海第二原発訴訟で原告側弁論

 東海村にある東海第二原子力発電所について、住民らが運転の差し止めを求めて日本原子力発電を訴えている裁判で原告側の弁論が行われ、原子炉圧力容器が転倒するのを防ぐ装置の耐震性について、専門家が「想定を超える地震動の大きさが考慮されていない」などと主張しました。
 この裁判は茨城や東京の住民など230人余りが、東海村にある東海第二原発について、巨大な地震によって重大な事故が起こるおそれがあるなどとして、事業者の日本原電を相手取って運転の差し止めを求めて水戸地方裁判所に訴えを起こしているものです。
 6日は、原告側の専門家による弁論が行われ、原発メーカーの東芝で原子炉格納容器の設計に携わり、現在は明治大学非常勤講師の後藤政志氏が出廷しました。
 後藤氏は、地震発生時に原子炉圧力容器が転倒するのを防ぐための「スタビライザー」と呼ばれる装置について、「日本原電は耐震上の余裕を有すると示しているが、想定を超える地震動の大きさや材料の強度のばらつきなどが考慮されていない」と述べました。
 その上で、「損傷した場合には原子炉が傾き、複数の配管が破断する。その際には原子炉の中の水位が下がった場合に水を送り込むECCS=非常用炉心冷却装置も機能しない上、炉心溶融に結びつく」と主張しました。
 裁判はこのあとこれまでの弁論内容を整理し、ことし5月21日に結審する予定です。
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