[2019_12_16_01]「盆暮れに100万円を」元原発関連工事業者が語る元助役の“集金”の様子とは(MBS2019年12月16日)
 
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「盆暮れに100万円を」元原発関連工事業者が語る元助役の“集金”の様子とは

 関西電力の幹部らが福井県高浜町の元助役などから多額の金品を受け取っていた問題。第三者委員会は12月15日、最終的な調査結果の公表が来年以降になると明らかにしました。一方、MBSは、元助役が金を集める様子を見た人物に話を聞くことができました。
 15日に行われた第三者委員会の会見で、元検事総長の但木敬一委員長は、これまでに関電の役員やOBら100人以上にヒアリングし、従業員ら約600人から書面での回答を得たことなどを明らかにしました。
 「量的に申し上げれば“5合目”は超えたかなと思います。しかし、質的な意味で申しますと、そう言えるかどうか分からない。」(第三者委員会 但木敬一委員長)
 関電幹部ら20人が福井県高浜町の森山栄治元助役などから、合わせて約3億2000万円にのぼる金品を受け取っていたこの問題。これまで関電は金品の受け取りについて、2011年からの7年間分を明らかにしていますが、MBSの取材で、1990年代に高浜原発の所長を務めていた人物も金品を受け取っていたことが分かっています。
 「背広を1回もらったのと、あとは小判というかね。2枚、小判の形してるねん。」(高浜原発の元所長)
 さらに、1990年代に大飯原発の所長を務めた人物も20万円分の商品券を受け取っていたといい、問題の根深さは際限がありません。第三者委員会もOB向けのホットラインを設けるなど調査対象を広げていますが、但木委員長は12月15日の会見で、「調査の難しさ」を強調しました。
 「非常に重要な人たちがここ1年くらいの間に次々お亡くなりになられて。困ったなあと思っているところであります。」(第三者委員会 但木敬一委員長)
 ただ、問題の構図は徐々に明らかになっています。高浜町の複数の建設業者によりますと、関電は森山氏が顧問などを務める地元企業に工事を発注。地元企業は工事金額の数パーセント分を「手数料」や「顧問料」として現金で森山氏に支払います。森山氏はこうして得た金の一部を関電幹部らに金品として渡します。つまり、電気料金を原資とする「原発マネー」が還流していた疑いがあるのです。
 かつて原発の工事を請け負う会社で勤務していた人物がMBSの取材に応じ、森山氏が金を集める際の様子について生々しく語りました。

 【原発関連工事業者の元従業員】

 「(原発の)正門では車の窓を開けて、後部座席から『森山だ』の一言で(原発内に)入っていました。どこかの会社の黒塗りの車で森山さんが後部座席に乗られて、100万円を受け取りに来られました。事務の方に『何しにお見えになったんですか』と聞いたときに、『盆暮れには100万円を払わないといけないんだ』と言われました。」

 Qこのままで本当にいいのかなと思ったことは?

 「違和感はなかったですね。森山さんのおかげでこの会社は成り立っているんだと最初から思ってましたので、当然やろうねと思っていましたね。」
 『原発マネー還流の疑惑』に委員会はどこまで迫れるのでしょうか。
 「そこは今まさに調査して議論している最中のホットなところでございますので、(調査内容の詳細は)ご勘弁いただけたらと思います。」(第三者委員会 但木敬一委員長)

 第三者委員会は来年以降に最終的な調査結果を公表する予定です。

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