[2019_11_01_01]部品誤発注、協力会社の指摘無視… 原燃 ミス重複「反省」 排風機故障の原因公表(東奥日報2019年11月1日)
 
 日本原燃は31日、8月に発生した再処理工場ウラン・プルトニウム混合脱硝建屋の排風機故障を巡り、誤った仕様の部品が発注・納入されたことを社員が見逃した上、協力会社などから2度の指摘を受けたにもかかわらず、そのまま取り付け工事を進めたことなどが原因だったと公表した。6月に別の排風機で同様のトラブルが起きていたが、そこでもミスを把握する機会を逃していた。
 故障は8月26日に発生。A、Bの2系統ある「第1排風機」のうち、稼働していたB系の駆動用ベルト5本が全て外れた。ベルトは本来、高い耐久性のものを使うこととなっていたが、標準型が装着されていた。
 原燃によると昨年2〜4月、担当者は見積もり依頼書にべルトの仕様を正しく記入したが、納入会社からの見積書には仕様の記載がなかった。別の担当者がそれを基に発注し、標準型のベルトが納入された。
 今年1、2月、定期点検時のベルト交換の際、担当者は協力会社と元請け会社から仕様の違いを指摘された。担当者は、耐久性の違いをさほど認識しておらず、交換時期も迫っていたため上司に相談しないまま標準型の使用を指示した。
 6月にはA系のベルト2本が外れるトラブルが起きていたが、仕様の異なるベルトが装着されていることに気付かなかったという。
 増田尚宏社長は青森市内で開かれた会見で「恥ずかしいトラブル。同様の事象があったにもかかわらず、.原因究明が甘く再発させてしまったことを反省しなければならない」と述べた。原燃は再発防止対策として。見積もり依頼書の仕様が自動で転記されるシステムに改修したほか、要因分析のためのマニュアル作成、仕様の確認の徹底、継続的な社員教育などに取り組む。  (加藤景子)
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