[2019_10_18_04]福島第1原発事故 詳しい経過など調査、5年ぶり再開 原子力規制委(毎日新聞2019年10月18日)
 
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福島第1原発事故 詳しい経過など調査、5年ぶり再開 原子力規制委

 東京電力福島第1原発事故で、原子力規制委員会は18日、事故原因などを分析する検討会を約5年ぶりに再開させた。原子炉から放出された放射性物質の経路など事故の詳しい経過に加え、当時の運転員の訓練体制についても調べ、今後の安全規制に生かす。2021年3月に事故から10年になることを踏まえ、来年中にも報告書をまとめる。
 事故調査を巡っては、規制委は14年に「事故につながった電源喪失は、地震の揺れではなく津波による浸水が原因」とするなどの中間報告をまとめた。ただし、その時は放射能レベルが高くて現場の調査は制限され、東電の資料の分析が中心だった。
 今回、放射能レベルが下がった部分が増えたことや、廃炉作業が進んで現場が失われる恐れがあることから、検討会を再開させた。原子炉格納容器のベント(排気)装置にある機器の作動状況や放射性物質の漏れた場所などを調べる。
 一方、放射能レベルが今も高い格納容器内には立ち入ることができないため、炉心溶融(メルトダウン)の詳細な経緯などは21年以降に改めて調査する。
 検討会のメンバーは、外部の有識者や規制委の更田豊志委員長ら。【荒木涼子】

 ◇東京電力福島第1原発事故で原子力規制委員会が調べる主な項目

▽ベント(排気)装置に設けられた機器の作動状況
▽放射性物質の漏れた場所や放出の程度
▽1号機の冷却装置「非常用復水器」(IC)の動作条件や運転員への教育内容
▽消防車による原子炉への注水
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