[2019_10_02_01]「電気料金が社長のポケットに」「不誠実」消費者、事故避難者関電に(毎日新聞2019年10月2日)
 
参照元
「電気料金が社長のポケットに」「不誠実」消費者、事故避難者関電に

 関西電力に対し、電気料金が値上がりしても支払い続けてきた関西の消費者や、東京電力福島第1原発事故で福島県から大阪へ避難した市民からは憤りの声が聞かれた。
 「うちらが払った電気料金が関電幹部たちのポケットに入れられていたらと思うと……。報酬2カ月減額や厳重注意という処分内容は甘く、潔く辞めるべきだ」。JR大阪駅に向かっていた兵庫県尼崎市の男性(78)は切り捨てた。
 全大阪消費者団体連絡会(大阪市)の飯田秀男事務局長は、関電側が福井県高浜町元助役の森山栄治氏から受け取っていた金品について「元をたどれば電気料金だろう。言語道断だ」と批判。「関西の大企業で発注者側でもある関電が森山氏をそこまで恐れた具体的根拠が分からない。いつ、どんなきっかけがあったのか、さらなる情報開示が必要だ」と求めた。

 ◇「復興見通しもないのに裏でお金」

 「またかという印象。電力会社への不信感がさらに強まった」。2011年3月の原発事故後、子供3人と大阪府へ自主避難した福島市出身の女性(44)は嘆き、「被災地復興の見通しも立たないのに、原発再稼働のために裏で巨額のお金を動かす姿勢は不誠実に過ぎる」と話した。
 電力大手10社が加盟する電気事業連合会の会長も務める関電の岩根茂樹社長は記者会見で原発推進に引き続き強い意欲を示した。女性は「森山氏から金品を受け取らざるを得なかったのは、まともなやり方では原発再稼働に地元の理解を得られないと関電自身が感じていたからでは。原発事故が人々の暮らしを脅かしたことを忘れないでほしい」と訴えた。【堀祐馬、阿部周一】
KEY_WORD:FUKU1_: