[2019_09_28_14]原発地元の高浜町民、恩恵と不名誉の間で複雑な思い 関電役員金品受領問題(福井新聞2019年9月28日)
 
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原発地元の高浜町民、恩恵と不名誉の間で複雑な思い 関電役員金品受領問題

 関西電力役員らが福井県高浜町の元助役(今年3月に死亡)から多額の金品を受領していたことが明らかになった9月27日、高浜町民の間に驚きや憤り、困惑が広がった。町内には関電の高浜原発4基が立地し、地元経済はさまざまな恩恵を受けてきた。「裏にこんな関わりがあったとは…」と複雑な思いを抱く人もいた。
 同町の70代男性は「町民としてつらい」と表情を曇らせた。「小さな町だがこれまで発展してきた。その裏にこういう関わりがあったのかもしれないと考えると寂しい。町の名前も大きく報道されてしまい、大変不名誉」と肩を落とした。
 「やっぱりねと思った」。こう切り出したのは同町出身の60代女性。関電と元助役を巡る黒いうわさを耳にしたことがあるといい「町のイメージが悪くならないといいが…」と心配した。同町の70代女性は「決してあってはならないこと」と憤り、「別世界の話でよく分からないが、関電との関係を維持するためには、ここまでしなければならなかったのだろうか」と困惑気味に話した。
 「一時的に預かったとする関電側の説明は不誠実で信用できない」と話すのは同町で旅館を経営する50代女性。「関電はしっかり説明責任を果たしてほしい」と強く求めた。一方、81歳の男性は「こんなことはどこにでもある話だろう」と冷めた表情で話した。
 地元の建設会社から元助役に約3億円もの巨額の金が流れていたことが明らかになったことに対し、町建設業組合の松味良幸理事長は「ただただ驚いている」と絶句した。
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