[2019_09_27_09]関西電力、高浜町元助役から…現金など”3億2000万円”授受 『違法ではなく不適切と社内処分』(関西テレビ2019年9月27日)
 
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関西電力、高浜町元助役から…現金など”3億2000万円”授受 『違法ではなく不適切と社内処分』

【関西電力 岩根茂樹 社長】
 「このたびは関係者や社会の皆様に多大なご心配やご迷惑をおかけしおかけしお騒がせしたことについて深くお詫び申し上げます」

 会見冒頭、頭を下げ謝罪した関西電力の岩根茂樹社長。
 理由は原発をめぐる金の動きです。

 関西電力の役員や社員など20人が原子力発電所がある福井県高浜町の森山栄治・元助役から現金などを受け取っていたことが分かりました。

 総額はおととしまでの7年間で合わせて「約3億2000万円」に上ります。

 今年3月に亡くなり、関西電力と関係が深かったとされる森山・元助役。
 原発関連の工事を請け負う建設会社からカネを受け取り、その一部を関西電力の経営陣らに流したとみられます。

 金品を受け取った20人の中には八木誠会長(69)や岩根社長の名前も…。

――Q:現金を授受していた?
【関西電力 八木誠 会長】
 「個人的なことについては一切お答えしない」

【関西電力 岩根茂樹 社長】
 「私を含めた役員・社員の一部が良識の範囲内を超える金品については受け取りを拒んだり、返却を申しでたものの、強く拒絶されるなど、返却困難な状況があったことから返却の機会をうかがいながら、一時的に各個人の管理下で保管していたこと、並びに現在までに儀礼の範囲内のものを除きまして、すでに返却していることを確認しました」

 会見で岩根社長は、森山・元助役から受け取った物品について、「返すタイミングを伺っていた」と弁解しました。

【新実キャスター】
 「社長は先方からいつどういう形で金品を渡され、どう拒否をした?」

【関西電力 岩根茂樹 社長】
 「社長になってから一度だけお会いしています。就任のお祝いという形で話をして、最後に手荷物をいただいて、そういう金品があるという認識はなかったが、せっかくのことなのでうけとって、あとでみると非常に高額なのでうけとれないと。かえす術を考えていた」

また送り主である森山・元助役については…。

【関西電力 岩根茂樹 社長】
 「地域対応上の助言協力をいただいた方。関係が悪化し場合、原子力の事業運営に悪影響がでるのではないかと思い、なかなか返せなかったものがある。当該事象の見返りとなるような対価的な行為はなく発注額についても社内ルールに基づき適切に実施していることを確認しています」

 関電側による「金品の見返りに当たる行為はなかった」と強調した岩根社長。

 また税務当局から「返却しても一部金品は所得税の対象となる」と指摘されたことから、それぞれがすでに修正申告をして納付を完了したということです。

 しかし実は問題が発覚したのは去年3月。社内での調査が去年9月には終了していたことも明らかになりました。すでに八木会長、岩根社長を含む複数名の社内処分を行ったということです。

 27日まで発表していなかった理由については…。

【新実キャスター】
 「利用者に対して、国民に対しても公表しなかった判断については?」

【関西電力 岩根茂樹 社長】
 「社内の調査の結果、違法ではなく不適切なものだということで社内処分をして、再発防止ということで今行っていますが、こうしたプロセスが妥当だったかどうかも含めてさらに検討したい」

また、今回の事態について経産省は…。

【菅原一秀 経産相】
 「事実だとすれば極めて言語道断。関電という、いわば原子力の立地地域も抱えている会社であって、そういう意味では社会的責任がある企業の問題であること。きわめて重要な事案だと捉えています」

 菅原・経済産業大臣は関西電力の関係者を呼び、事情を聞くとともに、経産省として厳正に対処する方針だと述べました。
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