[2019_09_19_22]福島同型「合格」3基のみ=廃炉15基、再稼働なし(時事通信2019年9月19日)
 
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福島同型「合格」3基のみ=廃炉15基、再稼働なし

 東京電力福島第1原発事故から8年半が経過し、九州電力や関西電力などの加圧水型原子炉(PWR)の再稼働が進む中、福島第1原発と同型の沸騰水型原子炉(BWR)の再稼働は1基もない。
 再稼働の前提となる原子力規制委員会の審査で、事実上の合格証の「設置変更許可」が得られたBWRは、東電柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)と日本原子力発電東海第2原発(茨城県)の3基のみ。一方、廃炉の決定あるいは方針が示された炉は福島第1、第2など計15基で、事故以前に運転していたBWR32基のほぼ半数に達した。
 BWRは原子炉内の核燃料で熱された水が蒸気となり、直接発電タービンを回す。核燃料に触れる水とタービンを回す蒸気が別系統のPWRに比べ構造は単純だが、格納容器の容積が5分の1程度と小さく、福島事故のように冷却機能が失われた場合、格納容器が破損して外部に放射性物質が放出されるまでの時間的余裕が少ないデメリットがある。
 このため、事故の教訓を踏まえて策定された新規制基準は、放射性物質を除去しつつ格納容器内の圧力を外に逃がす「フィルター付きベント」の即時設置をBWRに要求(PWRは5年間猶予)。対策項目の多さも、BWRの審査が遅れる一因となっている。
 東電は8月、柏崎刈羽原発についても1〜5号機のうち一部の廃炉を検討する方針を表明しており、BWRの廃炉はさらに増えそうだ。
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