[2019_09_11_07]東電福島第一原発事故原因を追及せずに原発再稼働を推進する原子力規制委員会 「事故分析検討会」も「事故調査に係る連絡・調整会議」も事故を小さく見せる? 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その208 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)(たんぽぽ舎2019年9月11日)
 
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東電福島第一原発事故原因を追及せずに原発再稼働を推進する原子力規制委員会 「事故分析検討会」も「事故調査に係る連絡・調整会議」も事故を小さく見せる? 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その208 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)

 原子力規制委員会は、9月11日の定例会議の議題3「東京電力福島第一原子力発電所事故に係る継続的な調査・分析の進め方について」で、「東京電力福島第一原子力発電所における事故分析に係る検討会」の再開と、「福島第一原子力発電所の廃炉及び事故調査に係る連絡・調整会議」の立ち上げとを決めた。
 どちらも再稼働推進・被曝強要の委員会らしい対応である。

○「東京電力福島第一原子力発電所における事故分析に係る検討会」の再開
 この検討会は、規制委が東電福島第一原発事故原因を検証せずに「新規制基準」を作り甘い甘い適合性審査を開始した後、2013年5月に由々しき者(ゆゆしきしゃ、有識者?)ばかりを集めて開催し、国会事故調が指摘した地震による東電福島第一原発事故発生の問題を追及せずに、1年後の2014年7月に「中間報告」をまとめた(本シリーズ<その22国会事故調を敵視し「吉田調書」を無視する規制委〜「事故の分析に係る検討会」中間報告書確定><その206東電福島第一原発事故原因を誤魔化して原発を再稼働する東電・経産省・規制委〜「文芸春秋9月号」と「岩波科学8月号」が明らかにする地震原因〜)。
 当然、この日の委員長記者会見では、NHK他が事故原因究明について追求した。
 例えば、次の質疑応答をご覧いただきたい。
記者:新潟県の技術委員会が民事裁判で、電源喪失が津波が原因なのかどうか、今でも議論されていたりするのですけれども、規制委員会は既に一度、詳しく調査をされて、電源装置は津波の影響であるという結論を一回出されているのですけれども、この点について再調査されるおつもりはありますでしょうか。
更田委員長:…電気を生むところだけではなくて、電気を伝えるところも含めて水をかぶってしまった。ここが非常に大きな原因で、これに関しては、津波の遡上記録等々に関しては、これまでも証拠は明らかですので、そういった意味で、今おっしゃった内容について改めて調査をすることが何か意味を持つ、ないしは新たな結果を与えるということは、可能性は極めて小さいとは考えています。
記者:あわせて、地震動による機器や配管への影響も、例えば、東電福島第一原発1号機の電源喪失で、地下の以前事故があったような海水配管が破断しているとか、そんな可能性も全くないわけではないと思うのですが、そこについてはどのようにお考えですか。
更田委員長:…こう考えればつじつまが合うというのは、それが原因だということとは全く別のことです。…。さまざまなストーリーが言われていて、そのストーリーを完全に否定するような材料はなかなか得にくいけれども、しかしながら、それは一つのストーリーにすぎなくて、それが真実であるかどうかを特定するのは大変難しいことだと思います。
 要するに、多くの専門家が指摘している地震による配管破断について何も調査・検証するつもりがないのだ。そんなことをすれば、「新規制基準」の前提が崩れるからだ。
 勿論、この検討会には更田委員長・原子力規制庁・JAEAの他には2人の外部専門家だけで、残念ながら田中三彦さん・後藤政志さん・井野博満さん・山崎久隆さんらは入らない。

○福島第一原子力発電所の廃炉及び事故調査に係る連絡・調整会議
 上記検討会と並行して、資源エネルギー庁、原子力規制庁、原子力損害賠償・廃炉等支援機構、東電など原子力マフィアたちが四半期に1回集まって、原子力緊急事態宣言下のオリンピック・トリチウム汚染水の希釈海洋投棄・中間貯蔵問題・廃炉手順見直しなどをするつもりだ。
 「統一された認識のもと」何を隠して何を明らかにするのか?
 しっかり監視しないといけない。
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