[2018_12_23_03]最大90cm、津波被害222人死亡28人不明 インドネシア(毎日新聞2018年12月23日)
 
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最大90cm、津波被害222人死亡28人不明 インドネシア

 【パンデグラン(インドネシア中部)武内彩】22日午後9時27分(日本時間22日午後11時27分)ごろ、インドネシア中部ジャワ島、スマトラ島間のスンダ海峡で津波が起き、両島の沿岸部で少なくとも222人が死亡、28人が行方不明となり、840人以上が負傷した。国家防災庁が23日、明らかにした。
 同庁や気象庁によると、スンダ海峡のクラカタウ山の噴火に伴う海底の地滑りにより、最大で90センチの津波が発生したとみられる。高潮と重なり、2メートルの高さの波が押し寄せた可能性がある。地震は起きなかった。
 両島沿岸の住宅地や観光地が被害を受け、家屋約560棟とホテル9棟が大きな被害を受けた。犠牲者はさらに増える可能性がある。駐インドネシア日本大使は「これまでに邦人被害の情報はない」としている。
 地元メディアによると、ジャワ島西部バンテン州のビーチでは津波発生時に国内の人気バンドがコンサートを行っていた。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に投稿された映像では、ステージ後方から津波が一気に押し寄せ、演奏中だったバンドメンバーや観客を襲う様子が映っていた。メンバーの一人とスタッフが犠牲になった。
 ビーチ観光地として人気のバンテン州パンデグランには、クリスマスの連休で多くの観光客が訪れていたとみられる。海岸沿いには観光客相手の軽食店などが建ち並んでいたが、津波で流され、がれきが散乱していた。
 海岸そばで軽食店を営むザイナル・ウディアンさん(25)によると22日夜、閉店作業中に1メートルほどの高波が2度、押し寄せてきた。直後に波が引き、沖から山のような波が近付いてくるのが見えたという。
 すぐに妻を連れてバイクで逃げ、すり傷程度で済んだが、周辺では犠牲者も出た。「津波は何の前触れもなく突然来た。またいつ来るか分からないのが怖い」と高台にある親類の家に避難。「観光客が戻ってこなければ商売を変えるかもしれない」と肩を落とした。

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