[2018_12_06_04]泊原発「トラブル多すぎる」 非常発電不具合、規制委が問題視(北海道新聞2018年12月6日)
 
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泊原発「トラブル多すぎる」 非常発電不具合、規制委が問題視

2007年と09年にも不具合

 北海道電力泊原発3号機(後志管内泊村)の非常用ディーゼル発電機で、端子の取り付け不良が2009年12月の運転開始時から約9年間にわたり放置されていた問題で、北電は2007年と09年にも別の理由で非常用発電機のトラブルを起こしていた。原子力規制委員会の更田豊志委員長は「トラブルが多すぎる」と問題視し、北電の対応を厳しく検証する構え。北電がこの件を公表したのは発生から13日後で、情報公開も遅れた。
 「泊原発は非常用発電機に関しておかしくないか。そんなに故障率が高いはずがない」。更田氏は5日の規制委会合で異例の強い口調で北電を批判、ほかの原発に比べて泊原発の故障発生率がどの水準にあるかを調べる考えを示した。
 非常用発電機は停電で外部からの電力供給が止まった際に、使用済み核燃料プールに冷却水を循環させるなど重要な役割を持つ。東京電力福島第1原発事故では津波で非常用電源が使えず、被害が拡大した。北電は異物混入などが原因で07年に泊1号機、09年に泊3号機で非常用発電機に不具合が生じ原子炉を停止。そのたびに点検を強化するなどしてきたが、経験が生かされなかった。
 発見が遅れたのは、9月の胆振東部地震に伴う全域停電(ブラックアウト)の発生時も含め、発電機自体がかろうじて動いていたためだ。端子の取り付け不良は発電機の納入時から起きていたとみられ、メーカー側にも落ち度があるが、不良箇所が見えづらく、作業員による月1回の点検でも見過ごされてきた。規制委は、なぜ長年問題が放置されてきたかを北電の担当者から聞き取り、1カ月程度で調査結果をまとめる。
 事実関係の公表も後手に回った。原発のトラブルは電力会社自らが公にするケースが多いが、今回は泊原発内で開かれた会議に出席した規制委の担当者が、トラブルに気づいたことから発覚。その後、北電は報道発表をせず、発生から13日たった11月22日にホームページで公表しただけだった。
 北電は「道や周辺4町村と締結した安全協定の一環で定めている、直ちに公表する事項に該当しなかったため」と説明している。

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