[2018_09_12_04]北海道電力の電力不足は本当か?検証する 北海道電力発表のデータからみて発電能力が過小評価だ 電力不足を「演出している」のか、北海道電力が電力不足を解消するのに「やる気がない」かのどちらか 渡辺悦司 (市民と科学者の内部被曝問題研究会会員)(たんぽぽ舎2018年9月12日)
 
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北海道電力の電力不足は本当か?検証する 北海道電力発表のデータからみて発電能力が過小評価だ 電力不足を「演出している」のか、北海道電力が電力不足を解消するのに「やる気がない」かのどちらか 渡辺悦司 (市民と科学者の内部被曝問題研究会会員)

 世耕経産相を先頭として、政府と北海道電力は、地震により苫東厚真火力発電所が被害を受けたことを理由として、北海道民に対し2割の節電を大々的に呼びかけています。
 また、節電がうまく行かない場合「計画停電」を実施すると、恫喝しています。

◎ だが、このような節電キャンペーンは、
(1)ブラックアウトを引き起こした北海道電力と政府の電力政策の失敗を隠し、
(2)来たるべき泊原発の再稼働に向けて世論を誘導するという人為的印象操作の疑いが払拭されないものなのです。
 北海道電力の公表している電源設備データそのものが、このことを如実に示しています。以下を見て下さい。
http://www.hepco.co.jp/corporate/company/ele_power.html

◎ 北電の総発電設備能力は、約781万キロワットですが、停止している苫東厚真火電(165万キロワット)と泊原発(207万キロワット)を除くと、北電の現存発電設備能力は、409万キロワットです。
 9月12日の読売新聞の報道によれば、9月11日現在の北電の想定発電能力は240万キロワットに過ぎません(政府・北電想定は350万キロワットですが、そのなかから、企業の自家発電50万キロワット、本州からの融通60万キロワットを除いた数字です)。
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20180911-OYT1T50125.html
 さらに、9月14日時点での想定は、水力が40万キロワット再稼働されるため、280万キロワットとなると考えられます。
 しかし、これらは、現存する409万キロワットの発電能力からは、利用率68%ですので、まだ余力があり、どう比較しても、「2割」の節電を経産大臣自らが音頭を取って呼びかけるというのは、人為的に能力を過小評価して電力不足を「演出している」のか、北電が電力不足を解消するのに「やる気がない」かのどちらかであろうと言われても仕方がありません。
 冬期の需要ピーク525万キロワット(日経新聞9月12日)についても同じことが言えます。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO3522712011092018EA1000/

 北電の現存能力409万キロワットと自家発電・本土からの送電能力の合計およそ110万キロワット(現状のままと仮定)、9月末以降に再稼働予定の苫東厚真1号機35万キロワットを加えれば、554万キロワットとなり、対応可能なレベルにあります。
 10月中旬以降に再稼働予定の同2号機60万キロワットが加われば、614万キロワットと、本格的な冬までに十分に供給可能となるでしょう。

◎ つまり、北海道の電力不足は、政府・北電によって人為的に「つくられ」「煽られている」キャンペーンであるかもしれないという疑惑があるのです。
 北電のデータ自身がその可能性を示しています。
 大手マスコミがこのような簡単に分かるデータを検証することなく、節電のキャンペーンに荷担していることは許しがたいことです。
 決してだまされてはなりません。

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