[2018_09_06_20]浅い直下型、被害大きく 石狩東縁断層が活動か 北海道で震度6強(北海道新聞2018年9月6日)
 
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浅い直下型、被害大きく 石狩東縁断層が活動か 北海道で震度6強

9/6(木) 12:30配信

「今後も同程度の地震が起きてもおかしくない」

 道内で初めて震度6強を観測した胆振地方中東部を震源とする地震は、内陸の浅い地下の断層がずれる「直下型」だった。震源の深さが約37キロと浅いため、地震の規模が小さくても住宅損壊や土砂崩れなど大きな被害を出した。専門家は石狩平野の東部を走る「石狩低地東縁断層帯」との関連を指摘、「今後も同程度の地震が起きてもおかしくない」と警戒を呼び掛ける。

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 札幌管区気象台によると、直下型地震は太平洋プレートが陸のプレートの下に沈み込むことで地下の岩盤にひずみがたまり、限界に達すると断層を境に急速に動くことで発生する。
 今回の震源は、石狩低地東縁断層帯から東に約10キロの位置。気象台の担当者は「地震と断層帯の関係は分からない」とするが、北大地震火山研究観測センターの高橋浩晃教授(地震学)は「この地域は東向きに断層が地下に傾いており、石狩低地東縁断層帯のやや深い部分の活断層によるものと考えられる」とみる。
 今回の震源から北西へ約15キロの胆振管内安平町早来付近では、2017年7月1日、最大で震度5弱を記録した地震があった。高橋教授は「地震活動が活発になっていることが考えられる。今後1週間程度は今回と同程度の揺れが起きる可能性がある」と話す。

「安全性が確認されないうちは自宅に戻らないで」

 16年4月の熊本地震では1回目の「前震」の2日後に、2回目の震度7の地震が発生し、住宅倒壊などで50人が犠牲になった。高橋教授は「揺れの強かった地域では、応急危険度判定で安全性が確認されないうちは自宅に戻らないでほしい」と呼び掛ける。
 道内は5日、台風接近によって雨が降り、地盤が緩んでいたため、地震が引き金となり胆振管内厚真町などで土砂崩れを起こした可能性がある。道内は7日以降、雨が降る予報となっており、気象台は「傾斜地など危険な場所には近づかないで」としている。(吉田隆久、岩崎あんり)

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