[2018_09_05_02]<大間原発>運転開始2年延期 26年度めど、審査長引く(河北新報2018年9月5日)
 
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<大間原発>運転開始2年延期 26年度めど、審査長引く

 電源開発(Jパワー)は4日、青森県大間町に建設中の大間原発の運転開始時期を、2024年度ごろから26年度ごろに2年延期すると表明した。原子力規制委員会による新規制基準への適合性審査に時間がかかっているため。東日本大震災後の延期は3回目。
 Jパワーは18年内に審査を終える予定だったが、さらに2年ほどかかるとみて見通しを改めた。14年12月に申請した審査は現在、序盤の段階。
 審査終了後の20年後半に安全対策工事に着手し、25年後半に終える予定。試運転などを経て、26年度ごろの運転開始を想定する。
 町議会の大間原発対策特別委員会で、Jパワーの楠瀬昌作大間現地本部長らが説明した。議員から「これ以上延期しないと約束できるのか」「住民から『大間原発は幻の原発になるのではないか』と声が上がっている」などの意見が出た。
 Jパワーは「審査を受けている立場なので進めるペースは決められないが、守れるよう努力する。(原発の建設には)不退転で取り組む」などと答えた。
 金沢満春町長は「またも延期かという思い。誠に遺憾だ。審査をできるだけ早くクリアできるよう努力してほしい」と語った。
 Jパワーは青森県と同県佐井村、風間浦村、北海道にも延期を報告した。大間原発の建設停止訴訟を起こしている北海道函館市は同社との面会を拒否しているため、書類を送る。
 青森県の佐々木郁夫副知事は報告を受け「安全性向上対策に一層の責任感と使命感を持って取り組み、県民、関係自治体の理解が得られるよう最大限の努力をお願いする」と同社に要請した。
 大間原発は、世界で初めて全炉心にプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料を使用する。08年5月に着工したが、震災に伴う東京電力福島第1原発事故後に本格工事を中断している。進捗(しんちょく)率は37.6%。

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