[2018_07_28_02]<三反園知事2年>「脱原発」選挙の方便か 県民厳しい視線(毎日新聞2018年7月28日)
 
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<三反園知事2年>「脱原発」選挙の方便か 県民厳しい視線

 「脱原発」を掲げて2016年7月の鹿児島県知事選で初当選した三反園訓(みたぞのさとし)知事は28日、就任から2年を迎えた。就任直後こそ九州電力に川内(せんだい)原発(同県薩摩川内市)の即時停止を要請するなどしたが、わずか半年後には稼働継続を容認。1期目の折り返しを迎えても「脱原発」への姿勢はトーンダウンしたままで、県民からは厳しい視線が向けられている。
 「会う必要がある内容があり、公務が空いていればお会いする」。27日に鹿児島県庁であった定例記者会見で、6月末に就任した九電の池辺和弘社長と面会していない理由を問われると、三反園知事は表情を硬くした。
 九電では社長が代替わりすると原発立地自治体の首長らと顔合わせするのが慣例だが、両者の面会はまだない。玄海原発がある佐賀県の山口祥義知事は池辺社長と面会しただけに、関係者は「原発政策のスタンスをはっきりさせずに逃げているのでは」といぶかる。
 就任直後の16年8月には当時の九電の瓜生道明社長(現会長)と面会。「熊本地震で県民の不安が高まった」として川内原発の一時停止を厳しく迫った。しかし、九電に拒否されると一転。昨年2月には川内原発1号機の運転継続を容認した。
 原発の運転期間は原則40年とされるが、電力会社の申請が認められれば最長で20年延長できる。川内原発1、2号機はいずれも運転開始から30年を経過。九電が延長申請すれば三反園知事の対応が注目される。しかし、三反園知事は27日の会見で「再生可能エネルギーを推進し、原発に頼らない社会をつくるのが私の脱原発です」と述べるにとどめた。
 2年前の知事選で三反園知事を支援した県民からは「明らかな変節。『脱原発』は選挙のための方便だったとしか思えない。最後まで公約を守るべきだ」との声も聞こえる。【田中韻】

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