[2018_06_27_01]次に大地震が起こるのは有馬、別府、千葉? 中央構造線周辺も要注意〈週刊朝日〉(AERA2018年6月27日)
 
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次に大地震が起こるのは有馬、別府、千葉? 中央構造線周辺も要注意〈週刊朝日〉

 大阪北部地震の次はどこで起こる可能性が高いのだろうか。高知大学の岡村眞名誉教授(地震地質学)は、地震発生時、学会のため大阪に滞在していた。
 「振動が突然きたので震源地は近いとわかりました。5秒間くらい揺れが続きました。一方で、カタカタといった初期微動が全くなかったので、南海トラフ地震ではないともわかりました」
 岡村氏は、今後、発生周辺地域での地震に気をつけたほうが良いと指摘する。
 「日本は太平洋プレートとフィリピン海プレートが陸のプレートをゴンゴン押し合い、常に力が蓄えられている。今回発生した高槻(大阪)側とは逆の西側・有馬(兵庫)は十分に気をつけないといけません。力が伝搬している可能性があります。同じ規模の地震が発生するかもしれません」
 2年前の熊本地震についても同様だという。
 「熊本の断層で起こったことで、(断層帯のある)別府市(大分)のほうに影響を及ぼし、今後、危険な可能性はある」(岡村氏)
 地震、火山噴火に関する著書を出している木村政昭・琉球大学名誉教授は、中央構造線沿いで地震が起こりやすくなっているという。中央構造線は九州から四国、紀伊半島、東海、関東平野へと続く長い断層だ。
 「最近、発生している地震は、中央構造線沿いやその周辺で起こっています」(木村氏)
  ほかにはどのようなエリアを注意しないといけないだろうか。前出の岡村氏は千葉県の東沖を挙げる。
 「東日本大震災の発生により、岩手から茨城の境界くらいまでは、約500年分くらいたまっていたひずみが取れたのでしばらく起こらないとは思いますが、千葉から東京にかけてはまだひずみが残っている。ここ数年以内に起こるかはわかりませんが、千葉県を襲った津波を伴う地震は、400年は起こっていないのでちょっと心配です」
 一方、木村氏は火山活動に着目する。
 伊豆諸島沖でのM8.5規模の地震の危険性がまだ拭えないとする。
 「火山噴火から推定していて、南の小笠原諸島・西之島などで火山活動が北に進んでいます。やがて大きな地震が起こる可能性はあります。また、1986年には伊豆大島で大噴火が起こっていますが、大地震は起こっていない。過去には伊豆大島で本噴火した後に大地震が起こったので、そろそろ大地震が起こる可能性は否定できない。西之島ではこれまでになく火山活動が活発化し、小笠原諸島沖で2015年にM8.1の地震が発生している。油断できません」
 ただ、発生地域の指摘はできても、時期まで特定するのは難しいという。
 「今、この地下にどれだけのひずみが蓄積されているかはわからない。わかっていることはそこに過去に何度も地震が起こっている活断層があることだけ。だからこそ、地震に備えておくことが必要なわけです」(岡村氏)
(本誌・大塚淳史)
※週刊朝日 2018年7月6日号


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