[2018_01_05_01]緊急地震速報で再び誤報 気象庁「技術的な限界も」(日本経済新聞2018年1月5日)
 
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緊急地震速報で再び誤報 気象庁「技術的な限界も」

 5日午前、関東地方や福島県に緊急地震速報が発表されたが、強い揺れは起きなかった。気象庁はほぼ同時刻に茨城県沖と富山県西部で起きた2つの地震を同一の大きな地震と誤って処理したと発表。気象庁は相次ぐ「誤報」をなくすためシステム改善を進めてきたが、担当者は「技術的な限界もある。どうすれば防げるか検討する」と話している。
 緊急地震速報は、地震発生時に起きる波をとらえ、大きな揺れが来る前に警報を流す仕組み。最大震度5弱以上が予測される場合、震度4以上の揺れが想定される地域に出す。
 気象庁によると、地震は5日午前11時2分23秒、富山県西部で起き、3秒後には茨城県沖で発生した。いずれも最大の震度は3だった。
 それぞれの地域の地震計が地震を観測したが、気象庁のシステムがほぼ同時に発生した2つの地震を区別できず、1つの地震とみなして揺れの強さを計算。午前11時2分46秒に茨城県南部で震度5強程度が予想されるとして速報を出した。
 2011年の東日本大震災以降、複数の地震が同時発生するケースが多発したことで、複数の観測点が地震波をとらえて1つの大きな地震とみなす誤報が相次いだ。このため気象庁は16年12月、震源地の特定や規模の計算に使うデータの種類を増やし、精度を向上した。
 17年は7回の速報が発表されたが、誤報はなかった。ただ今回のように同時にある程度の規模の地震が発生したことはなかったという。
 緊急地震速報の発表は全て機械が自動処理している。担当者は「最新のシステムでも対応できないものがあると分かった。原因を追究して、改善を進める」としている。

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