[2017_12_09_01]再処理工場完工3年延期 21年度上期検討/原燃(デーリー東北2017年12月9日)
 
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再処理工場完工3年延期 21年度上期検討/原燃

 日本原燃が、2018年度上期を目指していた使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の完成時期を3年程度延期し、21年度上期とする方向で調整していることが8日、関係者への取材で分かった。隣接するMOX(プルトニウム・ウラン混合酸化物)燃料工場についても、19年度上期から22年度上期に完成を先送りする方針を固めた。いずれも原子力規制委員会の審査合格が見通せず、新規制基準適合に向けた安全対策工事を想定通り終えるのが困難と判断したもようだ。
 原燃は今月下旬にも、青森県と村に両工場の完成延期を報告する予定。
 両工場は核燃料サイクルの中核施設。使い終えた燃料からプルトニウムを取り出し、原発の燃料として再利用するプルサーマル計画の柱に位置付けられるが、大幅な完成延期によってサイクル政策全体に影響が出るのは必至だ。再処理が進まなければ、原発再稼働で新たに生じる使用済み核燃料の貯蔵場所も逼迫の度合いを一層増してくる。
 両工場の審査は14年に開始されたが、議論が終盤を迎えた再処理工場では8月以降、長年の点検漏れでトラブルが相次いだ問題を受け、審査が異例の中断に追い込まれた。合格の前提となる補正申請書の提出時期が不透明になり、工藤健二社長は11月の記者会見で、完成時期に関して「(目標が)厳しいとの認識を念頭に総合的に判断したい」と延期を示唆していた。
 MOX工場を巡っては、審査の過程で主要建屋の大幅な設計変更を余儀なくされたことも影響し、建設工事が進展していない。
 完成延期は、原燃が事業指定(許可)を国に申請してから再処理工場が23回目、MOX工場が6回目。事業主体である国の認可法人「使用済燃料再処理機構」(青森市)が7月に公表した試算では、40年間の操業や廃止措置などを含めた再処理の総事業費は約13兆9千億円に膨らみ、MOX燃料加工でも約2兆3千億円に跳ね上がっている。

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