[2017_11_25_01]南欧で歴史的干ばつ=原発冷却水不足の懸念(時事通信2017年11月25日)
 
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南欧で歴史的干ばつ=原発冷却水不足の懸念

 【パリ時事】フランス南部や南欧諸国が歴史的な干ばつに見舞われている。
 水不足のため、農産物の不作や山火事など幅広い分野で被害が深刻化しているほか、河川から冷却水を調達している一部の原発の運転に支障を来す懸念も浮上。地球温暖化の影響も指摘され、短期間で抜本的な対策を講じるのは難しい。関係者は祈るような思いで冬場の降雨に望みをつなぐ。
 地元メディアによると、フランスでは10月の降雨量が平均水準から7割減となり、1971年以来の低水準を記録した。仏南部から地中海に注ぐローヌ川では今秋に水流が通常の4分の1に激減。現地で水力発電を手掛ける企業の責任者は「われわれは原発への給水義務も負っている。水がなくなればどうなるのか」と表情を曇らせる。
 ワイン用ブドウの収穫量は天候不順の影響で前年から約2割も減り、記録的な不作となった。南東部アルデシュでは名産の栗の収穫量が平年の半分以下に落ち込んだ。
 ポルトガルでは今年、相次ぐ山火事のために計100人超が死亡。スペインのエネルギー大手イベルドローラは、水力の発電量が1〜9月に約6割減となったことから電気料金の値上げを余儀なくされた。同国の地理学者ホルヘ・オルシナ氏はAFP通信の取材に「スペインの気候は亜熱帯のようになりつつある。今後は熱波や洪水などの現象も多発するだろう」と予想した。

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