[2017_10_25_04]<大飯原発>避難計画を策定 「高浜と同時」想定せず(毎日新聞2017年10月25日)
 
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<大飯原発>避難計画を策定 「高浜と同時」想定せず

 関西電力大飯原発(福井県)の周辺自治体と政府でつくる地域原子力防災協議会は25日、同原発が事故を起こした場合の避難計画を策定した。近く開かれる政府の原子力防災会議(議長・安倍晋三首相)に報告する。大飯原発の十数キロ西には関電高浜原発(福井県)があるが、今回の計画では、地震や津波などで大飯・高浜両原発が同時に事故を起こした場合は想定されなかった。
 関電は地元自治体の同意を得た上で大飯3、4号機を来年1月以降に順次再稼働させる方針。その場合、既に再稼働している高浜3、4号機と同時期に稼働することになる。大飯・高浜両原発が同時に事故を起こした場合、それぞれの原発事故で想定している避難民を運ぶ車両が確保できなくなるなど、新たな問題が出る可能性がある。協議会に参加している内閣府は「同時に事故を起こした場合の対応も速やかに議論したい」としているが、具体的な日程などは決まっていない。
 避難計画を巡っては、東京電力福島第1原発事故を契機に、国は原子力災害対策指針を改定。原発から30キロ圏内の自治体に計画の策定が義務づけられた。大飯原発の場合、福井県のほか、京都府と滋賀県のおよそ16万人の住民が対象になる。
 大飯原発は半島の先端にあり、30キロ圏には山間地域も多く含まれる。計画では福井県内外の避難先を指定したうえで、これらの地域が災害などで孤立した場合に、船やヘリコプターで避難することなどを定めた。
 また協議会は、既に策定した高浜原発の避難計画についても一部を改定した。昨年8月に福井県で実施した防災訓練の教訓を取り入れ、観光客の避難方法などを盛り込んだ。【柳楽未来】

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