[2017_10_19_03]資格なき東電柏崎刈羽再稼働容認 (その2、3回連載) 規制委員会の更田新体制も露骨な再稼働推進機関 渡辺寿子(原発いらない!ちば)(たんぽぽ舎2017年10月19日)
 
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資格なき東電柏崎刈羽再稼働容認 (その2、3回連載) 規制委員会の更田新体制も露骨な再稼働推進機関 渡辺寿子(原発いらない!ちば)


4.地下水くみ上げ用井戸水位計設定ミスでも「適格」

 柏崎刈羽原発の審査が大詰めを迎えていた9月28日福島第一の1から4号機周辺にある地下水くみ上げ用井戸(サブドレイン)6本の水位計が誤って設定されていたことが発覚しました。このうちの1本の井戸では付近の建屋地下にある高濃度汚染水の水位より低くなる「水位逆転」が5月に少なくても8回起きていて、建屋地下の汚染水が建屋外に漏れた可能性もあったと東電は発表しました。
 東電に厳重な水位管理を命じていたのは規制委です。初歩的ミスを犯し、5ヶ月も気付かなかったわけで、東電に原発運転の資格があるのか議論し直すべき案件でした。
 しかし、規制庁の大熊長官官房総務課長は記者の質問に対し、まだ真相解明中なのに柏崎刈羽の審査とは関係ないと答えたのでした。そして規制委は10月4日の会合ではこの問題はほぼ素通りして、審査書案を了承したのでした。
 規制委はこれ以前の数週間、東電の原発を動かす事業者としての「適格性」を議論してきたといいますが、それは「結論ありき」を隠すための茶番劇だったのです。

5.中越沖地震による柏崎刈羽原発の損傷を検証すべき

 柏崎刈羽原発は2007年の中越沖地震で甚大な損傷を受けました。その時の教訓により緊急時の対策拠点となる免震重要棟が作られました。
 しかし、その時受けた重大な損傷について東電はすべてを公表していません。損傷の全容と耐震性をどのように高めたのか等詳細に公表すべきです。その検証がなければ柏崎刈羽原発の再稼働などありえません。
 新潟の小木曽茂子さんは「中越沖地震で損傷を受け、敷地地盤や発電施設がガタガタに傷んだ原子力発電所の再稼働に強い不安を持っています」と規制委への申し入れで述べました。

6.柏崎刈羽原発再稼働準備に投じた莫大なお金

 3月に発表された「新新総合特別事業計画」なる東電の再建計画では、柏崎刈羽6、7号の2基を動かせば1基年間500億円、2基で1000億円の利益が出るとしています。
 しかし、東電はこの2基の再稼働準備にこれまで6800億円(しかも1000億円かけた防潮堤は液状化対策に失敗し使い物にならず)も投じています。
 再稼働しても6800億円回収するだけで7年かかる計算です。これで東電は本当に再建できるのでしょうか。
 東電が再稼働準備に費やした莫大なお金は全くのムダ金です。こんなにお金を使えるのなら事故の被害者への賠償と生活保障そして廃炉費用にあてるべきです。柏崎刈羽原発再稼働は危険なだけでなく、どう考えても理屈に合わない愚かな行為です。
 あらゆる面から再稼働反対のパブコメを規制委に送りつけましょう。
  (その3へ続く)
(原発いらない!ちばネットワークニュース2017年10月号より許可を得て転載)


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