[2017_10_07_01]東京電力柏崎刈羽原子力発電所6,7号機の審査書案についての申し入れ 小木曽茂子 (さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト)(さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト_たんぽぽ舎2017年10月7日)
 
参照元
東京電力柏崎刈羽原子力発電所6,7号機の審査書案についての申し入れ 小木曽茂子 (さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト)


平成29年10月4日
原子力規制委員会委員長 更田豊志 様

 東京電力柏崎刈羽原子力発電所6,7号機の規制基準適合審査について本日合格を発表されるとのことですが、私たちは中越沖地震で損傷を受け、敷地地盤や発電施設がガタガタに傷んだ原子力発電所の再稼働に強い不安を持っています。
 また、東京電力は福島第一原子力発電所の事故で、事前に原子力施設を襲う津波の予測が出されていたにも関わらず、その安全対策を怠り、被害レベル最大の原子力事故を発生させ、住民に多大な被害を与え、原状回復はもとより、未だに放射能漏れの事態の収束を図ることさえできていません。
 また、柏崎刈羽原子力発電所6,7号機の適合性審査では、下記に示す様々な疑問点が浮上していますが、審査過程において具体的な根拠を持った安全性の確認が示されておりません。

 このような状況で審査の合格を表明することは、いったん事故が発生したら取り返しのつかない事態に発展する原子力発電施設の重大性にかんがみて、安全性を極度に軽視し、住民の安全に生活する権利を著しく脅かすもので、到底容認することはできません。
 直ちに本日の審査合格表明をやめ、住民の安全に生活する権利を最大に確保するために透明で厳格な安全審査を行うことを強く要請します。
 なお、下記に示す審査過程の疑問点や要請事項について具体的な根拠を持って審査をやり直し、審査過程及び審査結果を公表することを求めます。
 また、審査により安全が確保されないと判断された場合は、再稼働を認めず、廃炉の命令を下すよう要請します。

          記

1)中越沖地震で受けた原発の損傷、耐震性の劣化についてどう評価したのか。

2)地元の地質学の専門家たちが長年調査し、ボーリングも行って、東電の地盤評価に異論を唱えている。彼らの意見を反映させる機会を設けるとともに、その意見について具体的な根拠を持って検討し、その結果を公表すること。

3)前知事と約束した地下のフィルタベント装置設置について、東電はどのように対応したのか。テロや、ミサイル、航空機事故などにより、ベント装置が機能しない場合の事故想定をしたのか。

4)免震重要棟について。2300ガルの基準地震動に耐えうる免震重要棟を建てることは不可能と東電は認めている。6,7号機近接の5号機緊急対処施設で、事故対応できる機能が確保できるのか。

5)荒浜側防潮堤の地盤の液状化によって、それが傾く恐れが指摘され東電も認めているが、審査指針に抵触するのではないか。その対策は可能なのか?液状化する地域は原発の建てられない地盤であることを意味するのではないか。

6)新潟県は、福島第一原発事故及びその影響と課題に関する3つの検証(事故原因、健康と生活への影響、安全な避難方法)に関する3委員会を作り検証を進めている。
 それでも尚、ドイツで問題になったような倫理に関する問題や放射性廃棄物処理に関わる問題等は漏れ落ちてしまう可能性が指摘されている。
 原子力規制委員会と名付けられた貴組織が避難計画を始め、こうした問題に一切触れずに適合性を示すことには、大きな違和感を感じてしまう。
 そもそも重大事故を起こした東電には既に原発を運転する資格がないのではないか。

7)東京電力は、中越沖地震後に免震重要棟、福島原発事故後に防潮堤を建設し、適合審査を申請したが、後にどちらも地震時に安全が確保できないことが確認されている。それは、そもそもこの土地が、原発の建設に耐えられない地盤であることを示してはいないか。
 それにも関わらず、東京電力はこのことを隠して地元自治体に再稼働の了解を求める動きをしてきた。
 私たち県民は、こうした東電の姿勢を容認することはできない。国民の命や、生活を守るために、国も東電の原発運転資格を取り下げるべきではないか。

※《事故情報編集部》より
 10月4日発信の【TMM:No3189】■1.東電柏崎刈羽原発の再稼働を認めるな!
 10/4原子力規制委員会抗議申し入れ文4団体の1つを紹介します。

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