[2017_09_22_01]原燃また雨水流入 再処理工場、配管室に110リットル 「保安規定違反に該当」 規制庁(東奥日報2017年9月22日)
 
 日本原燃は21日、六ヶ所再処理工場の非常用電源建屋に隣接した地下のコンクリート室「配管ピット」に計110リットルの雨水が流入したと発表した。同工場の雨水流入は昨年8月、今年8月と相次ぎ、原子力規制委員会から厳しい指摘を受けたばかり。原燃が防止策を検討しているさなかで再発した。
 原燃によると、台風18号が通過後の18日に社員が巡視点検で、A、Bの2カ所ある配管ピットに48リットル、70リットルの水がそれぞれたまっているのを発見した。21日朝には、Bピットに新たに1リットル流入しているのを確認した。配管ピットと隣り合う非常用電源建屋や燃料油貯蔵タンク室へ水の流入はなく、外部環境への影響もないという。
 原燃は台風18号に備え、15〜17日で地上面にある点検口に防水テープを貼り、ブルーシートで覆うなど止水対策を実施したが、結果的に不備があった。原燃は「配管ピットへの雨水流入防止対策を講じていたが、防止対策が不十分だったことなどにより、雨水が流入したものと考える」と説明した。雨水の流入経路は特定できていないという。
 雨水流入は昨年8月に分析建屋と出入管理建屋の排水路で発生。今年8月13日には非常用電源建屋で配管が通る貫通部の隙間を埋めるシール剤の劣化により同建屋に800リットル流入した。貫通部は2003年の設置以降、一度も補修していなかった上、当直員が誤って別の場所を点検し続けていたことが発覚した。
 規制委は9月13日の審査会合で原燃の安全管理体制を問題視。設備管理が適切に行われる体制にならない限り、同工場を審査合格としない考えを示した。原燃は9月中に詳細な原因や改善点をまとめて報告すると回答していた。
 原燃報道部は、台風に備えた止水対策は応急措置で、恒久的な対策を今後改めて行うと説明した上で「再び雨水が流入したことについて会社として重く受け止めている。原因究明と再発防止に取り組む」とした。
   (阿部泰起)

 「保安規定違反に該当」規制庁

 日本原燃の六ヶ所再処理工場で相次ぐ雨水流入に対し、原子力規制庁幹部は21日の取材に「保安規定違反に該当すると考える」との見解を示した。規制庁は現在実施中の同工場の保安検査を22日に終了する予定で、今月末か来月上旬の原子力規制委員会定例会に検査結果を報告する方針。
 規制庁は15日に行った原燃幹部との面談で「雨水流入事象が再発しないよう万全を期すこと。台風で配管ピットに雨水を流入させるようなことが絶対にあってはならない」とくぎを刺していた。今回の雨水流入を受け、規制庁幹部は「原燃幹部は相変わらずの現場任せ。台風による影響を予見できる状況下で雨水流入を再発させた責任は大きい。応急措置も結果的に不十分で、最善が尽くされていない。プロの仕事をしてほしい」と、原燃に抜本的な改善を促した。(阿部泰起)
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