[2017_09_02_03]宇宙線−雲形成による気候変動メカニズムの新発見はCO2原因説に基づく政治キャンペーンの根本的見直しをせまる_立命館大学北場育子准教授らの論文−英国科学誌に掲載_増尾誠(京都市)(たんぽぽ舎2017年9月2日)
 
参照元
宇宙線−雲形成による気候変動メカニズムの新発見はCO2原因説に基づく政治キャンペーンの根本的見直しをせまる_立命館大学北場育子准教授らの論文−英国科学誌に掲載_増尾誠(京都市)

○ 今年の1月16日の英科学誌サイエンティフィック・レポートに、立命館大学古気候研究センターの北場育子准教授らが、宇宙から降り注ぐ銀河宇宙線が雲を作って気候を変えるメカニズムの解明に成功したという論文が公開されました。
 (http://www.ritsumei.ac.jp/file.jsp?id=317767)
 著者らは、大阪湾の海底掘削試料から78万年前と107万年前の地球の磁場が反転した時期の古気候の復元から、磁気反転時は地磁気が減少し宇宙線の侵入が増えること、また花粉や珪藻の化石調査から広葉樹から針葉樹への植生の変化(寒冷化や暖冬化)の解明を進めてこられました。
 今回は、さらに詳細な解析を進め、花粉の化石から当時の夏の気温と冬の気温、夏の雨量(モンスーン強度)を復元することで
1.夏よりも顕著な冬の気温低下と
2.夏の雨量の減少という法則を見出し、海より陸の方がより強く冷やされて気候変動が起こることが分かり、このメカニズムとしては雲により太陽光がさえぎられる “日傘効果”によることを見出したというものです。
 このニュースの報道は、そのエポック・メーキングな重要性にかかわらず、報道したのは日経、赤旗、京都新聞だけで地味な扱いです。
○ 今は、“炭酸ガスを減らして地球温暖化を防ごう”という国連(IPCC)のキャンペーンが行きわたっています。そして原発の再稼働・推進理由に相変わらず使われています。
 このCO2原因説に対抗する筆頭が1990年代にスベンスマルクが発見した宇宙線―雲説で、すでに20余年が過ぎ多くの検証が進められ、古気候の調査などからは宇宙線増と気温の強い相関が確かめられています。
 にもかかわらず、古気候の復元では雲量そのもののデータを得るのが難しく、メカニズムも推定の域を出ていないと無視されてきました。
 スベンスマルクの調査は太陽磁気活動による宇宙線の変動、北場さんは地球磁場活動による変動という違いはありますが、宇宙線の増加と寒冷化を結ぶメカニズムが論文として発表されたことは既成観念を破る大発見だと思います。
○ 2007年にBBCで放映(日本未公開)された英映画「地球温暖化詐欺」は、18名もの専門家が、CO2が気候を左右した証拠が無いと語っています。専門性と経験に裏付けられた重みのある言葉ばかりです。
 (私のHPにわかりやすく書いている   http://www7a.biglobe.ne.jp/~stal/)
 また、CO2温暖化問題の政治化は、サッチャー首相の時代(1979-90)に始まり、父ブッシュ大統領(1989-93)以前の気候関連科学の資金1.7億ドルが年間20億ドルと10倍に急増したと説明されています。今では100億ドルに達し、20年の目標は1000億ドルだそうです。
 現代は、政治の力で科学まで180度捻じ曲げることが出来る恐ろしい世の中です。トランプ大統領の判断(パリ協定からぬけたこと)にも一理あるようにも見えます。
 真実の答がどこにあるかは誰も知らないし教えてもくれません。
 既存のレッテルに惑わされずに科学の基本に立ち返っての考察が必要でしょう。

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