[2017_07_21_04]津波想定大幅見直しへ RFS・坂本隆社長、本紙インタビューに(デーリー東北2017年7月21日)
 
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津波想定大幅見直しへ RFS・坂本隆社長、本紙インタビューに

 リサイクル燃料貯蔵(RFS)の坂本隆社長は20日、むつ市の本社で本紙のインタビューに応じ、2018年後半の操業開始を目指す使用済み核燃料中間貯蔵施設について、津波想定を大幅に見直す方針を明らかにした。新たに仮想的な条件として高さ23メートルの大規模津波を想定し、核燃料を納める専用容器(金属キャスク)などの安全性を評価する。RFSは従来、津波への特段の考慮は不要との見解だったが、より厳しい条件を設定し、施設の健全性を証明したい考えだ。
 RFSは新たな方針を、21日に東京で開かれる新規制基準適合への審査会合で、原子力規制委員会に説明する。坂本氏は「18年後半の操業に向け一番大事な時期に来ている」と決意を強調した。
 これまでRFSは、高さ11・2メートルの基準津波(想定される最大規模の津波)を設けていた。今回、青森県が東日本大震災を受け見直した津波想定を基に、敷地周辺で予測される最大高の2倍に当たる、高さ23メートルの巨大津波によって施設が浸水するケースを想定。キャスク自体の設計にも余裕がある特徴を踏まえた。乾式貯蔵は、原発よりも津波によるリスクが低いとされる。
 また、坂本氏は操業開始後の課題にも触れ、使用済み核燃料の搬出元の東京電力ホールディングスと、日本原子力発電の原発再稼働が見通せない状況を指摘。「大震災を境に、県や市に当初(立地を)お願いした計画と、随分状況が変わっている」との認識を示した。
 一方、各原発のプールに貯蔵する使用済み核燃料が相当量に上るとし、「再稼働が進めば(施設搬入の)必要性は出てくる。震災を受けて乾式貯蔵の重要性も増している」と述べた。東電、原電以外からも使用済み核燃料を受け入れる可能性に関しては、「将来にわたって予定も計画もない」と否定した。
 RFSが貯蔵する使用済み核燃料は、再処理の確実な見通しが立たない上、核のゴミになりかねない。坂本氏は「核燃料サイクル全体の中で当社の事業計画がある。しっかりと(他事業者と)連携を取りたい」と述べた。

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