[2017_07_20_01]「真意が伝わらず」全漁連抗議に釈明 東電会長(東奥日報2017年7月20日)
 
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東京電力福島第1原発で高濃度汚染水を浄化した後に残る放射性物質トリチウムを含んだ処理水を巡り、同社の川村隆会長が海洋放出を明言したことに関し、全国漁業協同組合連合会(全漁連)は19日、川村氏を呼んで厳重抗議した。川村氏は「真意が伝わらなかった。会社として個人としても海洋放出を判断した事実はない」と釈明した。
 全漁連の岸宏代表理事会長は「発言は漁業者と国民への裏切り行為で、関係者の怒りと不安は極めて大きい」と批判。福島県漁業協同組合連合会の野崎哲会長は「唐突な発言に大きな不安と不信感を持たざるを得ない」と抗議書を手渡した。
 川村氏は「海洋放出を社として決定したかのような報道が出たのは、誠に残念だ。結果的に関係者にご不安やご迷惑を掛けた」と陳謝。トリチウム水の扱いについて「国や漁業者、関係者と慎重に検討を進める考えに全く変わりはない」と述べた。漁連側は発言の撤回を求めたが、撤回はしなかった。
 川村氏は抗議を受けた後、記者団に「(海洋放出を巡る)科学的な安全性と社会的な問題のうち、科学的安全性に関して、国の基準通りなら安全だと判断していると申し上げた」などと主張した。川村氏は13日までに報道各社のインタビューで海洋放出について「(東電として)判断はもうしている」と述べていた。
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