[2017_07_14_01]東電会長 海洋放出の方針 トリチウム含む処理水 福島第1原発 大量保管 地元漁業者らは反対 東通原発「非常に大事」 本紙などインタビュー 工事再開時期 明言せず(東奥日報2017年7月14日)
 
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東京電力福島第1原発で高濃度汚染水を浄化した後に残る放射性廃棄物を含んだ処理水を巡り、同社の川村隆会長が13日までに報道各社のインタビューで「(東電として)判断はもうしている」と述べ、海に放出する方針を明言した。処理水はトリチウムを含み、第1原発敷地内のタンクに大量に保管されているが、風評被害を懸念する地元の漁業関係者らが海の放出に反対している。
 東電の経営トップが公式の場で海洋放出に言及するのは初めて。トリチウム水については、有識者による政府の小委員会が現在、海洋放出を含めた処分方法を絞り込む議論を続けており、川村氏の発言は波紋を広げそうだ。
 一方で原子力規制委員会の田中俊一委員長はこれまで東電に海洋放出を求めており、川村氏は「大変助かる。委員長と同じ意見だ」とも語った。
 第1原発1〜3号機では、事故で溶け落ちた核燃料を冷やすために原子力圧力容器に注水を継続、この水が高濃度汚染水となっている。浄化設備で放射性物質を取り除いているが、トリチウムは通常の水との分離が難しいため、除去できない。
 運転中の原発などでは、法令基準以下に薄めて海に放出しているが、第1原発では敷地内のタンクに保管している。保管量は増え続け、7月6日現在、約77万7千トンで、タンク数は約580基に上る。廃炉作業への影響を懸念し処分を求める規制委に対し、東電はこれまで政府の小委員会や経済産業省との議論を踏まえる必要があり、単独では方針を決められないとしてきた。
 インタビューで川村氏は「国の委員会の結論を待って次の展開をすることは致し方ない」と話し、実際の放出は政府の決定を待つ考えを示した。また「国というか県というか、いろんな方が支援していただかないとがんばりきれない」とも述べ、放出に当たり福島県の理解を求めた。
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