[2017_03_07_02]美浜原発3号機蒸気発生器に耐震評価不正の疑い 科学的に間違った言辞で耐震評価不正を正当化する規制委員会 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その128 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)(たんぽぽ舎2017年3月7日)
 
参照元
美浜原発3号機蒸気発生器に耐震評価不正の疑い 科学的に間違った言辞で耐震評価不正を正当化する規制委員会 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その128 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)

 「その125」で高浜原発の蒸気発生器伝熱管の損傷について紹介した。同じ関西電力の美浜原発3号機の耐震評価に不正があることを滝谷紘一さんが書いているので紹介する。
 詳しくは「検証・原発新規制基準適合性審査 美浜3号機蒸気発生器に耐震評価不正の疑い」(岩波「科学2017年2月号」)をご覧い願います。
 工事計画が認可された美浜3号機(1976年稼動開始)について、「蒸気発生器の耐震評価における伝熱管の許容応力値に改定前の緩やかな規格にもとづく値を恣意的に用いて合格を諮っている疑いがある」のだ。美浜の基準地震動は993ガルと他の稼働済み原発(川内620、伊方650、高浜700、玄海620、大飯856)よりは大きく設定されている(これだって、柏崎刈羽で2007年7月の中越沖地震で観測された最大加速度2058ガルの半分以下で小さすぎる)。
 基準地震動に比例して美浜の一次応力発生値(計算値)が527MPaと他(川内332、伊方440、高浜324)より大きく出た。
 ところが、一次応力評価基準値(許容応力値)は、他は一律に481MPaであるのに美浜だけ539と計算値より大きくしているのだ。美浜3号機にのみ恣意的に緩やかな旧規格にもとづく許容応力値を採用しているのだ。
 2016年12月の衆議院原子力問題調査特別委員会で、桜田道夫規制庁規制部長は、高浜他は2005年版規格を使い美浜は1984年版規格にもとづいている、工事計画認可ガイドでは古い規格も新しい規格も両方使っていい、と答えた。
 さらに、田中委員長は許容応力値の算定式に関して「古いほうが少しコンサバティブというか、過大評価になるような式になっております。」と科学的に間違った言辞でこの不正を正当化した。
 稼働後40年に達する美浜3号機の運転延長を強引に決め、それを正当化する為のあまりに見え見えの甘い不当な審査が、ここでも明らかにされている。

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