日本原燃の安全管理部門で事実と異なる社内文書が作成されるなど不適切な対応があった問題で、原子力規制委員会の田中俊一委員長は8日の定例会見で「原燃は組織の見直しなどを図ったようだが、それだけでは納得できない。（是正措置が）機能するかどうか、これから継続的に見ていく必要がある」と指摘した。
　原燃は1月30日、社内の安全管理を束ねる「安全・品質本部」や「監査室」の人事の刷新などを盛り込んだ是正報告書を規制委に提出。しかし、規制委側は「計画が機能するか十分確認できない」として報告書の一部修正を求めている。
　田中委員長は「この種の不祥事に近いことが起きるのは原燃の体質の問題」とした上で、六ヶ所再処理工場などの安全審査への影響について「安全文化などの面で審査に全く関係がないわけではない。相当確認がいるかもしれない」と語った。
　　　　　（古川靖隆）