[2017_01_26_02]<高浜原発>強風マニュアル守らず…クレーン事故で関電(毎日新聞2017年1月26日)
 
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<高浜原発>強風マニュアル守らず…クレーン事故で関電

 関西電力高浜原発(福井県高浜町)で20日夜に大型クレーンが倒れ、2号機の二つの建屋の屋根が一部壊れた事故で、クレーンメーカーが定めたマニュアルに、瞬間風速が30メートルを超えると予想される場合は、アームを地上に下ろすよう記載されていたことがわかった。事故当日、福井地方気象台は暴風警報を発令し、最大瞬間風速が35メートルになると予想していたが、関電側はアームを地上に下ろす対策を取っていなかった。

 メーカーのマニュアルでは、風速10〜16メートルで作業を中止し、風の影響を受けにくいようにクレーンの角度や向きを調節するよう定めている。さらに瞬間風速30メートルを超えると予想される場合は、クレーンを地上に下ろしておくことも求めていた。

 しかし、関電は元請けの大成建設(東京)などと協議の上、強風対策としてクレーン先端にワイヤと約5トンの重りをつけて固定する方法を採用し、風速42メートルまで耐えられるとしていた。風向きについては、事故前の作業終了時はマニュアル通りに、クレーンが背面から風を受けるよう設置していたが、その後風向きが変わり、事故時は正面から受ける形になっていた。

 マニュアル記載の対策を取っていなかったことについて、関電は「事故原因を調査中で、答えられない」としている。【高橋一隆】

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