[2016_11_14_02]過酷事故を想定 1万4千人訓練 北海道・泊原発(東奥日報2016年11月14日)
 政府は13、14の両日、北海道電力泊原発(北海道泊村)での過酷事故を想定した原子力総合防災訓練を実施した。住民約1万1千人のほか、関係省庁や自治体など約400の関係機関を含め、計約1万4千人が参加。国の訓練で初めて、津波と原発事故の複合災害を想定し、10月に了承された避難計画を検証した。
 14日は炉心損傷が進んだとして、半径5キロ圏の共和町で、甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤を避難する住民に緊急配布する訓練をした。
 原子力規制委員会は、住民が避難時に速やかに服用できるよう、5キロ圏ではヨウ素剤の事前配布を原則としている。九州電力川内原発(鹿児島県)など政府が避難計画を了承した4原発の5キロ圏に入る市町村で、共和町だけが誤飲や紛失の恐れがあるとして、事前配布していない。
 共和町の集会所では、道から派遣された保健師らが、事前の問診を受けていない住民がいたとの想定で、5分ほどかけてアレルギーの有無や病歴を尋ね、安定ヨウ素剤に見立てたあめの入った封筒を住民に手渡した。小学校から約80人の児童をバスで留寿都村まで避難させる訓練も実施した。集会所で緊急問診を受けた秋島槙子さん(69)は「ヨウ素剤の飲み方や別の薬との飲み合わせなど、説明は分かりやすかった」と話した。
 13日の訓練は、3号機が運転中に北海道南西沖を震源とする最大震度6強の地震で大津波警報が発表され、泊村では標高3・4メートルまで津波が到達するとのシナリオで開始。泊村では住民が高台に避難した。
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