[2016_10_28_02]「もんじゅ」稼働に執念を燃やす 文科省から核を取り上げよ 高純度プルトニウムが欲しい=核兵器が作れる 山崎久隆(たんぽぽ舎)(たんぽぽ舎メルマガ2016年10月28日)
 
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「もんじゅ」稼働に執念を燃やす 文科省から核を取り上げよ 高純度プルトニウムが欲しい=核兵器が作れる 山崎久隆(たんぽぽ舎)

 日経新聞の10月26日付け記事に「もんじゅ試験運転、規制委員長「あり得ない」 文科省案巡り」と驚きの記事が掲載された。具体的には次の通りだ。
 『原子力規制委員会の田中俊一委員長は26日の記者会見で、廃炉の検討が進む高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(福井県)について、運転の期間や出力にかかわらず例外的な再稼働は認めない考えを示した。文部科学省が検討する短期間の試験運転を否定した形。
 田中氏は再稼働の前提となる新規制基準に合格せずに運転するのは「あり得ない」とした。』さすがに田中委員長もひっくり返るほど驚いたことだろう。このレベルが「もんじゅ」とそれを監督する文科省のレベルなのだから。
 文科省は、短期運転ならば新規制基準の適合性審査を受けなくても良いだろうと、違法運転を画策しているようである。こんな案を考えているだけで「原子炉等規制法違反容疑」で運転許可どころか、設置許可まで遡って取り消すべき存在だ。
 原子炉に燃料を入れ始めた瞬間に、炉は法の規制を受ける。臨界にならなくても冷却能力を維持できる信頼性がなければ、燃料装荷は認められない。文科省官僚の、ど素人以下の発想は、一体どこから来るのか訳が分からない。
 世界最高水準の「安全性」ではなく「危険性」を持つのが「もんじゅ」という原子炉なのだ。仮にも動かすとなれば、軽水炉(一般の原発)より遙かに高い安全性を、設備と人材を通じて確保しなければならない。それが出来ないから規制側も認可できずにいる。
 この原子炉、最悪の場合は「核爆発」さえ起こりえるが、文科省の「ちょっとだけなら動かしても」との主張は、そんな発想をしたもの全てを直ちに現職から外すべきレベルの話だ。
 あり得るのは唯一、なんとか照射済みブランケット燃料体を作り出し、その後にRETFリサイクル機器試験施設を「再処理できる燃料が存在する」として建設し、そこから純度99%のプルトニウム239を抽出したいとの野望があるからだろう。
 これこそが小型原爆や水爆の起爆装置を作るために不可欠な「材料」だからである。

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