[2016_10_21_07]鳥取地震「横ずれ断層型」 熊本と同じ内陸直下 気象庁が見解 (日経2016年10月21日)
 
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鳥取地震「横ずれ断層型」 熊本と同じ内陸直下 気象庁が見解

2016/10/21 22:12
 21日に鳥取県中部で発生した地震は熊本地震と同じく内陸直下で起きた。気象庁は、この地域に多い「横ずれ断層型」の地震との見解を示した。付近で大きな活断層は知られておらず「未知の断層」が震源となった可能性がある。地震を起こすひずみがたまりやすい地域との指摘も出ており、政府の地震調査委員会は22日に臨時会合を開いて今回の地震を検証する。
 地震の規模を示すマグニチュード(M)は6.6。震源の深さが11キロメートルと浅く、同県倉吉市などで震度6弱を記録した。防災科学技術研究所によると、瞬間的な揺れの強さを示す加速度は倉吉市で1494ガルと、熊本地震の1580ガルに迫る大きさだった。
 日本列島の周辺は地球表面を覆うプレート(岩板)がせめぎ合う。プレート同士がずれると、東日本大震災のような「海溝型」の巨大地震を起こす。プレートの動きは内陸にもひずみをため、断層がずれる引き金となる。1995年の阪神大震災や今年4月の熊本地震も内陸直下のタイプだった。
 大きな地震を繰り返す断層を活断層と呼び、地震調査委は主要な97の活断層で地震の規模や発生確率の予測を公表している。ただ今回の地震は「これまで知られていなかった断層で起きた可能性がある」(京都大学の飯尾能久教授)。周囲には43年に鳥取地震(M7.2)を起こした鹿野―吉岡断層や、岩坪断層があるが、今回の震源からは離れている。
 鳥取県では2000年にも鳥取県西部地震(M7.3)が発生した。京大の梅田康弘名誉教授は「最近もM4級の地震がたびたび起きており、地震活動は活発な地域だ」と指摘する。
 東京大学の佐藤比呂志教授は「地震を起こすひずみがたまりやすくなっている」と話す。
 海溝型地震である南海トラフの地震が近づくと、西日本の内陸部でも地震が起きやすくなるとの見方もあるが、具体的な関連性はわからない。気象庁は「(鳥取周辺では)大きな地震の発生後に規模の近い地震が続発した事例がある」として、今後の地震に注意を呼びかけている。

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