[2016_10_17_01]<巨大噴火>原発の停止基準を検討 原子力規制委(毎日新聞2016年10月17日)
 
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<巨大噴火>原発の停止基準を検討 原子力規制委

 原子力規制委員会は17日、外部有識者でつくる原子炉火山部会の初会合を開き、巨大噴火に備えて原発の停止などを命じる基準の検討を始めた。「巨大噴火の前に発生する可能性が高い」として、より規模の小さな噴火が起きた後に改めて巨大噴火に備える案を示したが、基準の具体的な中身は示さなかった。
 規制委の案によると、巨大噴火は、中小規模の噴火や大規模噴火を経て発生すると考えられるという。そこで、中小規模の噴火が起こり、極めて異常なデータが観測された場合、同部会で対応を検討するとした。監視対象となるデータとしては、地殻変動や地震活動、火山の熱やガスを挙げている。
 一方、この日の会合では、「顕著な現象があっても巨大噴火になるかは直前にならないと分からない」(小林哲夫・鹿児島大名誉教授)など、有識者から予兆をとらえるのは困難とする指摘が相次いだ。今後、規制委は過去の噴火データなどを調べるが、巨大噴火の観測例は世界的にもほとんどなく、基準作りは難航しそうだ。
 巨大噴火を巡り、規制委は「原発周辺で起こる可能性は非常に低い」として、再稼働した九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)を審査に合格させている。予兆があると規制委が判断した場合、原子炉を止めて核燃料の搬出を電力会社に命じるが、搬出するには核燃料を数年間冷やすことが必要で、搬出先も決まっていない。【酒造唯】

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