[2016_10_14_03]凍土壁 海側「全面凍結」 福島原発 東電、効果は示せず(東奥日報2016年10月14日)
 
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 東京電力は13日、福島第1原発の周囲の地中を壁状に凍らせる汚染水対策「凍土遮水壁」のうち、海側の地中が完全に凍結したと発表した。海側の凍結設備は3月末から全面稼働させていた。効果を確認するために凍土壁の下流側でくみ上げている地下水量のデータは収集中で、「効果をいつ示せるかは不明」としている。
 原発建屋内に流入して汚染水となっている地下水は山側から流れてきており、東電は今後、段階的に凍らせている残り半分の山側も全て凍結させる許可を原子力規制委員会に求める方針。
 東電によると、温度測定点約5千カ所のうち、地表付近の一部を除いた、地中の全地点で0度以下になった。地下水は地表付近の未凍結部より深い所を流れているため、凍土壁の機能に影響はないという。
 凍土壁の海側部分は3月末以降、地盤の凍結が進まなかったり、台風の大雨で部分的に解けたりする場所が続出した。東電は、凍結促進のため地中にセメントや薬剤を注入する追加工事を実施。10月8日に最後の工事を終えていた。
 東電は、1〜4号機の建屋地下を囲む凍土壁全体が完成すれば、地下水の流入量がこれまでの1日当たり約200トンから100トン程度まで減らせるとみている。
 凍土壁全体を一度に凍らせると地下水位が急激に変化し、建屋内から高濃度汚染水が漏れ出す恐れがあるため、海側を先に凍結させた上で、山側は部分的に凍結させている。
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