[2016_09_29_07]地下汚染水処理 計画2年前倒し 東電、実現性不透明(東京新聞2016年9月29日)
 
 東京電力は28日、原子力規制委員会の廃炉作業に関する会合で、福島第1原発1〜4号機の建屋地下にたまった汚染水の処理を終える時期を、当初予定していた2020年から18年8月に前倒しする計画を明らかにした。建屋周辺の井戸「サブドレン」のくみ上げ能力を高めるなどの追加対策を講じる。
 ただ、計画は、建屋への地下水流入を減らす汚染水対策「凍土遮水壁」が順調に効果を発揮することを前提としており、実現性は不透明だ。東電は凍土壁が機能しない場合でも、20年9月に処理を終えるとしている。
 また東電は会合で、1〜4号機の建屋地下全体の汚染水に含まれる放射性物質の約8割が、1〜3号機タービン建屋内の復水器に残る計約2千トンの汚染水に集中していると説明。この水は、事故直後に移送された極めて高濃度の汚染水で、処理が手つかずだったとして、抜き取りは1号機は16年度内に始め、2,3号機でも順次実施する予定。
 1〜4号機建屋地下にたまる汚染水は計約6万8000トン。東電は8月の前回会合で、溶融した核燃料の冷却のため注水が続く1〜3号機原子炉建屋の計約6000トンを除いて、20年に処理を終える計画を示していた。規制委の更田豊志委員長代理が巨大津波による外部流出を防ぐため、処理の加速化を東電に指示していた。
KEY_WORD:FUKU1_:TSUNAMI_:汚染水_: