[2016_08_20_02]自然災害の記憶 平成28年熊本地震:京大火山研究センター丘の土砂崩れ(防災科学技術研究所2016年8月20日)
 
参照元
自然災害の記憶 平成28年熊本地震:京大火山研究センター丘の土砂崩れ

(前略)
発生した事象について
 ☆京都大学火山研究センターが立地する丘(名称は不詳)の地質は,左記シームレス地質図によると「デイサイト・流紋岩類」とされています。
 ☆この丘には国土交通省が実施した調査ボーリングが3孔存在するため,それらから簡易的な地層断面図を作成してみました(上図右)。
 ☆丘の頂部では,火山灰,黒ぼくと軽石からなる軟らかい地層が10m以上堆積しています。 一方,基盤岩は「軟岩・風化岩」という記載で具体的な地質名はありませんが,シームレス地質図によると「流紋岩類」と思われます。
 ☆最も崩壊規模の大きかった土砂崩れの源頭部は,No.2孔とほぼ同じ標高にあるため,遷急線付近から下にあるこれらの軟弱な表土層が,地震による大きな震動(水平加速度)により滑り出したものと考えられます。
 ☆かなりの長距離を流れ下っているので,地震による「岩屑なだれ」が発生したと考えていますが,現地調査を行っていないため仮説の段階で,今後の研究成果が待たれます。
(後略)

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