[2016_07_15_35]大飯原発地震動見直し不要 島崎氏「納得していない」(フクナワ2016年7月15日)
 
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大飯原発地震動見直し不要 島崎氏「納得していない」

 関西電力大飯原発(福井県おおい町)の基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)が過小評価された可能性を指摘している元原子力規制委員会委員の島崎邦彦・東京大名誉教授(地震学)は14日、規制委が再計算の結果「見直しは不要」としたことについて「納得していない。規制委の説明は事実と異なる」と、規制委の対応を批判した。共同通信の取材に応じた。

 島崎氏は規制委に抗議文を送付、15日に記者会見を開くという。

 規制委の田中俊一委員長は13日の記者会見で、島崎氏に計算結果を説明したとした上で「結果を見て非常に安心したと言っていたとの報告を受けた」と述べていた。

 島崎氏は、基準地震動を見直せば、最大加速度が1550ガル程度となり、関電の想定する856ガルを大幅に上回る可能性があると主張。東京電力福島第1原発事故後に行われた安全評価(ストレステスト)で、炉心冷却が確保できなくなる下限値として関電が示した1260ガルも上回る。

 島崎氏は、震源の断層面積から地震規模を算出する「入倉・三宅式」を大飯原発の震源など地表に対して垂直に近い断層に適用すると、地震規模を過小評価すると指摘。

 規制委は今回、断層の長さに着目した「武村式」で計算して数値を比較。その結果、入倉・三宅式から導いた地震動は最大加速度356ガル、武村式では同644ガルと、島崎氏の指摘が正しいことが判明した。

 島崎氏は、規制委が入倉・三宅式で出した356ガルは、関電が同じ式で計算した596ガルを下回ることも指摘している。
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