[2016_05_01_04]もう要らない「電気事業連合会」−中部電力(三男坊)が会長で「空中分解」へ−(月刊「選択」5月号2016年5月1日)
 
もう要らない「電気事業連合会」−中部電力(三男坊)が会長で「空中分解」へ−

○電事連(電気事業連合会)は最強クラスの圧力団体

 電事連は1952年に設立されてから、電力会社の総本山的存在として、数ある業界団体の中でも最強クラスの圧力団体として機能してきた。
 地域独占に守られ、全国津々浦々に組織・人員をもつ電力会社は、政治家にとっては票田そのものだった。バックに政治家がいる電事連には、監督官庁の経済産業省でさえ逆らえないという時代が長らく続いた。
 だが、電事連が強大な権限を持てたのは、8人の会長を輩出し、中心的役割を果たした東電の力によるところが大きい。
 その東電は原発事故で壊滅状況に陥り、電事連のおもりをするどころではなくなった。「東電が去り、電事連を関電に任せて大丈夫かという声は多かった。次はさらにその下の中電がなるわけだから…」と前出の他電力関係者は不安をあらわにする。
 中電は電事連会長ポストを関電から奪い取り、早くも業界の盟主気取りだが、電力各社は浮き足立つ三男坊に冷たい目を向ける。「中電は電事連の最大のミッションが原発推進と理解しているのか。中電は原発を浜岡1カ所しか持たないし、その浜岡は南海トラフ巨大地震の震源にあるため、ほかの原発以上に再稼働は難しい、そんな会社がいくら原発推進を唱えても、説得力があるだろうか」(前出とは別の他電力関係者)
 原発利権を自ら手放すならば国民にとってこんないい話はないが、原発に命を懸ける電力各社はたまったものではないだろう。
○最後の結論−家賃毎月4000万円、電気料金から

 自家撞着と空中分解により、電事連の凋落はもはや免れないだろう。電事連は経団連会館の16階と18階にオフィスを構えるが、それぞれのフロアは500坪強。周辺の賃料相場である1坪4万円を当てはめると、毎月ざっと4千万円かかる計算だ。これも全て電気料金から支払われている。電事連存続が国民生活のプラスになることはない。

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