[2016_04_18_12]原子力規制委員会臨時記者会見録(原子力規制委員会2016年4月18日)
 
参照元
原子力規制委員会臨時記者会見録

原子力規制委員会臨時記者会見録
●日時:平成28年4月18日(月)
●場所:原子力規制委員会庁舎記者会見室
●対応:田中委員長他

<質疑応答>
○司会 それでは、ただいまから原子力規制委員会の会見を始めたいと思います。
 皆様からの質問をお受けしたいと思います。いつものとおり所属とお名前をおっしゃってから質問の方をお願いします。私の方が指定しますので、マイクが届きます。そのマイクでもって質問していただければと思います。
 それでは、質問のある方は手を挙げてください。
○記者 毎日新聞、ナギラです。
 今回の熊本地震に関連して、田中委員長として、今回の情報発信について何が不足だったとお考えになっているか。それから、改善点としてどういったことが考えられるか。その2点をお願いします。
○田中委員長 情報発信をどの程度まで求められているかということなのですが、もちろん何かあれば、当然情報発信はできるだけ詳しくやらなければいけない。
 それで、基本的なところはやっていて、それなりに関係市町村とかいろいろなところには報告はしているのですけれども、やはり今回のような、今、週末マスコミとかいろいろな報道を見ていますと、やはりどうしても国民の皆さん、原子力発電所についての心配。特に今、川内が唯一稼働している、比較的近いということで、御心配の向きがあったと思うのです。
 それについて、九州電力もホームページとかいろいろな形で発信はしているし、随時原子力施設に異常はないというような報告はさせていただいているのですけれども、もう一つ、やはりどういった、規制委員会、規制庁としてどこまでやればいいのかというところについて、若干私自身もつかみかねていました。
 それで、今日の臨時委員会での議論でもわかりますように、多分非常に難しいと思うのですね。基準地震動とか、自動スクラムの設定値と今回の観測値の関係がどうなっているのだとかって。それはどういう意味を持っているのだとか。そういうところを説明しようと思うと非常に難しいということで、どうしようかという話もあったのですが、週あけてからで、委員会できちっと少し、詳しい議論をした方がわかっていただけるのではないかということでやってきました。
 先ほど長官からもありましたけれども、何もなくてももう少しホームページとかいろいろな形で、規制委員会、規制庁として安全に責任を持つという観点からそれを出した方がいいだろうということで、できるだけそういう情報は出すようにしたいと思います。ただ、改めて新しいことが何か出せるかということではないのですが、少しそういう、ホームページとかいろいろなところを利用して、できるだけ多くの人が見られるように発信していくということが基本だと思います。
 中身自身はなかなか難しいのですよね。いろいろな評価をしないとわからないところもありますけれども、一言で言えば大丈夫です。今、こういう状況で、施設の観測されている地震動は、今日で言えば、今回で言えば12ガルが最大で、今回のは5でしたとか7でしたとか、そういうことになると思うのですが、そういったことが、そういった情報が、本当に国民の方にとってどれほどの意味を持っているのかということが、なかなか理解していただくのが大変なので、そこに少し解説を加えるようなことができればという気はしています。
○司会 ほかにございますでしょうか。アマノさん。
○記者 産経新聞、アマノでございます。
 同じ質問なのですけれども、情報発信について反省しているという言葉が委員長からございましたけれども、ではそこの、つまり国民のニーズをなぜ酌み取ることに失敗したのかという点についてはいかがですか。
○田中委員長 ニーズ。ニーズを酌み取るって、一応メディアの放送としては、原子力施設の状況についての報道はいろいろな形でされていたと思うのですね。産経新聞も出されていたと思いますけれども。だから、そこが非常に難しいところで、ただ、何でもなくても、何もなくても、規制委員会としての判断というのかな。考えを出すということをすべきだという意味では、少し不足していたということは否めないと思います。

○記者 もう一個、安全上のレベルについて1点だけ伺いますけれども、今回川内では基準地震動、水平加速度で620ガルと出ていますけれども、例えば、このように1日、2日で震度6レベルが6回続くというような形の地震が起きた場合、例えば620ガルというレベルの揺れが何回も続いた場合。そういったときでも、耐震設計で問題はないというような審査はされているのですか。
 つまり私が審査を見た限りでは、620ガルが来たときに安全だというレベルはあったのですけれども、それが何回も続くと、耐震上、確認ができないままにどんどん来るという形での審査というのはされているのでしょうか。

○田中委員長 それは弾性範囲内でのあれでしょうから、ちょっとそちらから。
○小林長官官房耐震等規制総括官 耐震総括官の小林でございます。
 今、おっしゃられたところ、例えば女川発電所ですね。これはたびたび大きな地震動に見舞われているので多分御存じだと思いますけれども、そこでの評価ですけれども、工事認可とかそういったところで、少し建物の剛性。いわゆる、しなりとかですね。そういうのを少し低目に見積もったような解析もしますので、そういったことを加味したような評価というのはありますので、そういったものをやっていくということになると思います。
 いざ、こういう大きな地震動に発電所が直接見舞われた場合ですけれども、そういうことは前例としてございますので、その辺十分評価していくということでございます。

○記者 つまり確認ですが、620ガルという基準地震動が数日間で何回来たとしても、これは耐えられるという審査はしているということでいいですか。
○田中委員長 だから、弾性範囲内での構造設計になっているから耐えられるということですよね。一般の家屋が何回か繰り返して、今回もそうですけれども、2回目の地震で倒壊したというのは、結局もう1回目で塑性変形、弾性領域を超えているということなのですよね。
 ですから、原子力施設についてはそういう設計はしていませんので、その620ガルというのはそういう意味で、弾性範囲内であるということです。

○記者 はい。ありがとうございました。
○司会 ほかにございますでしょうか。では、先に挙がった。あの青いシャツの方。
○記者 フリーランスのヤマモトと申します。
 今現在も、日本で唯一稼働中の原発の直近で地震が起こり続けている今、やはり国民最大の疑問は、なぜ止めることで予防しないのかということだと思います。福島においても想定外のことが起こり得たというのが最大の教訓だと思うのですね。地震に関しても、水素爆発に関しても、核爆発ではないかと疑われている3号機の爆発に関しても。そういういろいろなことを考えても、今、本当に地震対策。最大の地震対策すべきは、もちろん福島も。ごめんなさい。簡潔にまとめます。
 なぜ止められないのか。想定外のことを考えれば、止めるのが最大の安全策であり、近道であり、地元の方への避難の大騒ぎを避けるためにも理由だと思うのですが、まず、エネルギー受給の問題はまったくないと思います。なぜ止められないのか。カメラの前で、ラジオの向こうで聴いている国民に向かって、簡潔にお答えください。止められない理由をお尋ねしたいです。
○田中委員長 一応、私どもは科学技術としての判断基準に基づいて、停止するか稼働に値するか、停止させるかどうかということを決めているわけですね。ですから、そういったものがあるから止めた方がいいという、それも一つのお考えかもしれませんけれども、それは規制委員会とか我々の判断ではなくて、安全上の問題があるなら、当然我々は止めなければいけないと思います。
 でも、そういうことではないということなのですね。
○記者 安全上の問題はないという。
○田中委員長 はい。今は、今の段階でずっと見ている限りでは、安全上の問題はありません。
○記者 今まで起きた、今までの。
○司会 質問はちゃんと手を挙げてよろしくお願いします。ほかにございますでしょうか。クマイさん。
○記者 すみません。朝日新聞のクマイと申します。
 委員会の方で、伴委員の方から、世の中で懸念されているのは震源の移動。特に南西方向への移動というのが懸念されていると質問がありまして、これに対して石渡委員の方からは、川内近くの断層帯でマグニチュード8.1が起きても、150ガル程度の揺れと。これ、だから原子炉の自動停止の設定値以内におさまるということで、一応原発の安全性は保たれるというような理解でよろしいのでしょうか。
○田中委員長 布田川、あそこの断層が全部動いたとき、最大で8.1ぐらいというふうに評価されています。それでそれの影響として、大体150ガルぐらいの影響が、地震動が原発のサイトに来るということです。ですから、当然そのレベルになりますと、場合によっては多分原子炉、自動停止になるのですね。150ぐらいだとね。ですから、原子炉はとまります。
 それで、原子炉はとまるということは、先ほど、ちょっと私も念のため確認したのですけれども、言うなれば、十分余裕を持って止めるわけですね。ですから、そういう意味では、別に安全上の問題が起こるというわけではないというふうに理解しておいていただいていいと思います。
○司会 ほかにございますでしょうか。シゲタさん。
○記者 NHKのシゲタと申します。
 大きく3点お伺いしたいのですが、先ほども質問出たのですけれども、大きな地震が繰り返し起きているということで、そういった面も見ているという話だったのですけれども、再度マグニチュード6、7クラスが何度も起きても大丈夫というような、審査を見直すというようなことはありませんかね。
○田中委員長 まず1つですか。3つあるとか言ってました。
○記者 それは1つですね。
○田中委員長 今、先ほどもお答えしましたけれども、繰り返しってどういうことを言っているか、今のような、少なくとも感覚で言えば、構造物とかいろいろな施設の剛性というのは失われるわけではありませんので、それを見直さなければいけないということはないと思います。
○記者 わかりました。
 2点目なのですけれども、そういった大きな地震が繰り返し起きているという今回の熊本地震なのですけれども、重大事故対策では、屋外での作業。電源車を持ってくるとか、ポンプを持ってくるとか、そういう外での作業というのが多く対策として挙げられていると思うのですが、こういった繰り返し起きている場合を想定した訓練が必要だと感じているところなのですけれども、そういった面を保安検査などで確認する必要とかあるとお感じでしょうか。
 もしくは、そういった対策も。つまり、繰り返し起きた場合の対策も講じられていると感じていらっしゃるでしょうか。
○市村原子力規制部安全規制管理官(PWR担当) 安全規制管理官の市村と申します。
 今般の審査においては、もちろん繰り返し地震が起こっているときに、地震が起こっているときに屋外の作業をするということはおそらくできないと思いますけれども、例えば地震が起きて地盤が緩くなって、アクセスルートがですね。想定したアクセスルートが使えなくなってしまわないかとか、あるいは保管している場所から必要な機器が取り出せないようにならないかとか、そういうことを含めて審査をしております。そういうことも含めて、さらにそれは保安規定で手続も担保され、それを踏まえて訓練もやられるということで、十分に対応ができるのではないかというふうに考えております。
○記者 繰り返しかもしれないのですけれども、その点で、本当にいわゆる本震レベルが何度も起きた場合でも、屋外での作業がスムーズに行える審査もしくは検査をされているという理解でよろしいでしょうか。
○田中委員長 屋外の作業が一般に必要になるのは、設計基準事故を超えるような重大事故が起きた場合ということですが、そういう場合に、多分その屋外作業も含めてやることになります。
 それで、繰り返し起こるって、どのくらいの頻度でどれくらい起こるかということですけれども、大きな地震が起これば繰り返し、今でも余震なり何なりという格好で起こりますので、そういったことを踏まえて、先ほど言ったようにいろいろな、がけ崩れがあったりいろいろなことがあっても、それに対応できるような準備をするということを求めていますので、特に今、熊本のような地震の繰り返しが起こっても、今、特に問題になるということはないと思います。
 それよりも、まず屋外作業を必要とするような重大事故に至る前にきちっと原子炉は止めて、対策をとると。そういうふうになっていますので、そこのところはそんな御心配いただかなくていいと思います。
○記者 すみません、長くなって。最後になります。総じてになるかもしれないのですけれども、今回は14日に大きな地震があって、そして16日にさらに大きな地震があって、本震とされたと。専門家でもこういった地震の予測は難しいということが改めて浮き彫りになった形なのですけれども、こうした地震をめぐる不確定要素が多い中で、審査のあり方を厳しくしたりとか、変えていく必要性についてはどうお考えでしょうか。
○田中委員長 予測、正確に、余震があって本震が来るのか、本震があって余震が来るのか、いろいろ順番はあるかもしれませんけれども、起こるという最大の地震動としては、先ほどもちょっと説明がありましたように、今回、本震が7.3ですか。8.1という評価をした上で評価していますので、そういう意味では、十分な保守性をもって見ていると思います。8.1と7.3といったら、エネルギーにしたらどのぐらい違いますかね。何十倍と違うはずですね。
○小林長官官房耐震等規制総括官 単純に言うと、マグニチュードが2違うと、1,000倍となっていますので、エネルギーがですね。そのぐらい違うということです。
○田中委員長 ですから、今の8.1と7.3というのは物すごい違いだと思っていただければいいと思います。
○記者 特に変える必要も今のところは感じられないという理解でいいですか。
○田中委員長 どっちかというと厳し過ぎるのではないかという意見も多々寄せられますけれども、私どもとしては、かなり保守的に、安全サイドで評価をするということを貫いていますので、今、変えなければいけないという知見は何もないと思います。
○司会 カンノさん。
○記者 福島民有のカンノと申しますが、短く何点かお伺いしますが、そもそも基準地震動Ssは、陸域とか、海域とか、プレート間断層とか、いろいろなものを想定して、一番高いものに備えようというもので、今回の川内原発は、現在動いている布田川・日奈久断層帯も評価に入っているということですけれども、これを評価するときに、92.7キロメートル全体が動いたらばマグニチュード8.1、動いてもSsの範囲内でおさまると、そういうことでよろしいのですね。
○田中委員長 距離も、今回の断層帯は30キロメートルよりも遠いので、先ほども言いましたように、それも一応、評価した上で、150ガルぐらいですから、十分、今の基準、620以下であることは確認しているということです。
○記者 先ほど委員からもありましたけれども、現在、八代までの、長さにして3分の2ぐらいのものが動いて、最大のマグニチュードが7.3だということですけれども、気象庁が南西方向に震源域が伸びるのではないかという予測をしているわけですね。これは想定でも何でもなくて、実際動いているという話を聞いていますけれども、細かい振動が。そうなった場合に、機器的に大丈夫かもしれないけれども、マグニチュード8.1が起きる恐れがあるわけですね。まだ本震が終わっているとは限らないわけで、それを、機器が耐えられたから止めるということではなくて、予備的に止められないのかというのが現在の議論だと思うのですけれども、そこはいかがでしょうか。
○田中委員長 それは、先ほど申し上げましたように、安全上の問題があることが確認できればというか、そういう判断をすればですけれども、私どもとしては、今の状況の中で、安全上の問題があると判断していないということです。我々以外に、政治的判断とか、いろいろなことがあり得るかもしれませんけれども、私どもとしては、技術的に見て、そういう判断をするだけのものには至っていないと思っています。気象庁が、南の方に移っているということを含めまして、我々はそういうことを踏まえた上でそういう判断をしています。
○記者 最後にいたしますけれども、情報発信の不備とか、国民ニーズの乖離ということがありますけれども、まず、現在、正しい情報を出しているのかという不信のほかに、今後どうなるのかというのが国民の一番の心配事だと思うのですね。その場合に、起きても大丈夫だというのと、また別の次元のお話なのですね。原子力規制委員会は、安全上、科学的に判断するということですけれども、今後起きるかもしれないのに、止めないのかというのが疑問のところであって、そこは規制委員会の範囲ではなくて、いわゆる原子力行政、政治の判断だということでしょうか。
○田中委員長 起きるかもしれないといういろいろな想定はした上で、かつ、それが起こったとしても、今の断層帯からの影響は、発電所の施設には安全上の心配をもたらすようなことはないという判断なのですね。
○記者 本当に最後にしますが、法的な立てつけとして、予備的に原子力発電所を止めましょうかという法的な権限は規制委員会はないということですね。
○田中委員長 そうですね。原子力発電所は事業者が動かしているし、いろいろな意味で、社会的にも非常に大きなものですから、それを予備的に、特段の根拠がないのに止めなさいとは、そう簡単には判断できないということはあります。
○司会 ほかにございますでしょうか。
○記者 日経新聞のアベと申します。2点、簡潔に質問させてください。1つは情報発信についてなのですけれども、1回目の地震が起きたときに、菅官房長官から指摘があったと思います。それを受けて、2回目の16日1時25分の地震では、実際に異常情報が入っていないとホームページで公開したのが1時59分だから、大体30分ちょっとで発信されて、客観的に見ると、すごく短く発信されたなという印象になっているのですけれども、このあたり、委員長としては、時間として短くなったというような、どういうふうに評価されているのかということです。
○田中委員長 御指摘がありましたので、それを踏まえて、できるだけ速やかにホームページ等に載せていくという格好での努力はしたということですね。
○記者 もう一点なのですけれども、今日、委員会で検査をして、これからなのですけれども、念のためにという意味ででも、直接、規制庁の方が現地で確認とか、そういうことは今の時点でお考えになっていらっしゃるのでしょうか。
○田中委員長 それは検査官が入ってやっていますよね。ずっとね。
○司会 よろしいですか。ほかにございますでしょうか。カミデさん。
○記者 フリーランス記者のカミデです。
 これまでの質問と関連がありますが、少し大きな点から質問させていただきます。今回、丸川環境相は、全面的に原子力規制庁が安全と言っているのだから安全だということを言っております。一方で、田中委員長は日ごろから、最終的に止めるのは政治的な判断だと言っております。これは明らかに矛盾していると言えば矛盾しているわけです。経産省は、2030年、原発の構成比率が22%、気象庁は、これから日本全国、地震がどうなるかわからないと言っていて、これは根本的に見直すべきではないかと考えます。これまでも何回も聞いておりますが、そういうことは規制庁の役目ではないと言っていますけれども、そういう提言をなさってもいいのではないかと思うぐらい、国民は心配していると思います。この辺について、国民にわかりやすく説明していただけますでしょうか。
○田中委員長 まず、丸川大臣の発言ですけれども、私どもの判断をきちっと尊重して、それを踏まえてという意味でおっしゃったのだろうと思いますので、我々としては、今日も再三お答えしていますけれども、今、止めるべきという判断はしていないということです。止めるかどうかは別のファクターもあろうかと思いますので、そこはここで何も言う必要はないと思います。
 それから、エネルギー需給のパーセントをどうするかということと、気象庁がどこでどうなるかわからないという言い方は、気象庁の御見解は、そういう意味でおっしゃっているのではないと。もう少しきちっと科学的なベースに基づいて、どこがわからなくて、どこがわかっているかということは相当はっきりしていると思うのですね。今回の地震だって、2003年ぐらいに、最大マグニチュード8ぐらいの地震が起こるということを評価しているわけですね。時間的な予測よりは、確率みたいなこと、パーセントみたいなことを多分出していたと思いますけれども、それがたまたま今回起こってしまったということ、それから、起こり方が今までの地震とはちょっと違うとか、そういう意味で、専門的に見てわからないことが多いということで、そのことが即、すなわち原発の割合をどうこうするということは、再三カミデさんには申し上げていますけれども、私どもの所掌の範囲ではないということです。ただ、そのことと、今の気象庁の地震についての見解は必ずしも一体のものではないだろうということは申し上げられるだろうと思います。
○司会 ほかにございますでしょうか。後ろの方。
○記者 日経新聞のアサヌマと申します。よろしくお願いします。
 熊本地震について、先ほどから出ていますけれども、気象庁は今後の展開は予測できないとしています。今回の地震を契機に大規模な余震がしばらく想定される場合に、例えば、震源域周辺の原発を予防的に一定期間、行政指導の形で止めるような仕組みについて、どのようにお考えでしょうか。
○田中委員長 先ほどの繰り返しになりますけれども、大きな地震が起こるという震源、断層と原発サイトとの距離の関係がありますね。今回も、断層帯から20キロメートルぐらいの範囲内で大きな被害が出ているという報道もあります。今回の断層と川内原発とは30キロメートルより遠くにありますので、そういったことも踏まえて判断しなければいけないのだと思います。近い、遠いというのは、もう少しきちっと科学的に評価した上で判断すべきものだと思っていますので、そういう意味の判断だと御理解いただければと思います。間近で、本当に1キロメートルとか2キロメートルとか、そういうところでああいうことが起こるということであれば、当然そういう判断もあろうと思います。
○司会 ほかにございますでしょうか。ヤマグチさん。
○記者 プラッツのヤマグチですが、多分、今の御回答と同様かと思うのですが、基準地震動の件で、脱原発市長議会、現職の市長、もとの市長等で集まっている方々は、要するに、震源地の方では1,580ガルを記録したと。ただ、川内の方は620ガルなので、基準地震動見直しを要請したいと。委員長が今おっしゃったように、それは場所が違うでしょうという御回答になろうかと思うのですが、簡単で結構なのですが、こういう動きに対しての御見解を再度お願いします。
○田中委員長 650ガルという原子力施設の基準地震動というのは解放基盤での値ですから、今、千二百何ぼというのは地表面ではないですかね。ちょっと小林さんから。
○小林長官官房耐震等規制総括官 総括官の小林でございます。
 1,500ガルを観測したのは、多分、防災科研の方の地震計だと思うのですけれども、あれ自体は、地表面に置く場合もあれば、地中深いところもあるし、いろいろあります。今回のものがどの程度の地層の状態かというのはまだ発表されていません。そういったところも分析した上で、いろいろ評価していくことになると思います。ただ、地表面での測定が多いので、地表面だと増幅する傾向が多いので、例えば、岩手・宮城内陸地震などは、たしか地表面で4,000ガルとか測定されています。あれはまさにそういうことでございますので、分析してみなければわからないということと、今、言えることは、そういった地表面での測定ではないかと思っています。ただ、今後、詳しい分析は必要だと思っています。
○記者 今のところは、今の基準地震動を維持していくというスタンスでよろしいですか。
○田中委員長 そうですね。今までも地表面では、柏崎刈羽のときも、上の方では非常に大きな揺れを記録していますので、そこは、深さとか、地質構造とか、いろいろなことが影響してくるし、かつ上の建物もありますので、一概には評価できないと思います。今、そういう点も踏まえて、川内原発については地質も見て評価していますので、判断を変えなければいけない理由は、私どもとしてはないと思っています。
○記者 わかりました。ありがとうございました。
○司会 ほかにございますでしょうか。では、前の方。
○記者 フリーランスのタナカリュウサクと申します。同姓のよしみで恐縮でございます。
 気象庁が、震源が西に広がっていると言っていまして、ずっとその質問が出ているのですが、田中委員長は、危なくなったらとまるから、自動停止できるようになっているから大丈夫だとお答えになっているのですが、これは、山火事がすぐそばまで迫っているのに、花火大会をやっていると。本当に危なくなったらアラームが鳴って花火大会を中止させるような仕組みがあるから大丈夫だと言っているのに等しいのですね。それはどう思われますか。早く花火大会をやめさせるときではないでしょうか。
○田中委員長 例え話が私には全然実感としてわかりませんけれども、先ほどから言っていますように、布田川・日奈久断層というのは、今、南西方向に伸びているといっても、先ほど石渡委員がおっしゃったように、八代市あたりまでは来ている、それより南西には来ていないと。仮に来たとしても、今、断層帯の南西の端から川内原発は30キロメートル以上遠いわけですね。
○記者 私、行ったことあるから知っています。
○田中委員長 ですから、そういうことを踏まえて評価しているわけです。ですから、今の花火大会と山火事との関係はよくわかりませんけれども、そういうことです。
○司会 ほかにございますでしょうか。オシドリさん。
○記者 LCMプレスのオシドリといいます。よろしくお願いします。
 今回の地震は、気象庁の観測史上初めて、長周期地震動の階級4の地域が2カ所あったと。14日、16日とも、階級4の地域が出てきたということですが、検討会の審査資料も見直してきたのですが、川内原発の審査で長周期地震動については数行程度で余り評価がされていないように思うのですが、配管系や液体のスロッシング現象など、長周期地震動の影響については、規制委員会としてどう評価されているのでしょうか。
○小林長官官房耐震等規制総括官 耐震総括官の小林でございます。
 川内の場合ですと、特に長周期地震動の検討はしました。南海トラフとか、そういったところの影響が非常に大きくなるのではないかということで、速度で言うと200カインという非常に大きな長周期地震動を検討してございます。いろいろな設備、いわゆる周期が長いところの部分の機器等については、これで評価しているということでございますので、十分な対応がなされていると思っています。
○記者 ありがとうございます。震源が遠くて震度が低くても長周期地震動の影響を受けるということで、今日、委員会の中で石渡委員が、マグニチュード8.2程度でも大丈夫、安全性の設計がされているということですが、長周期地震動の階級4の地域に川内原発がなったとしても問題はないということなのでしょうか。
○小林長官官房耐震等規制総括官 石渡委員の説明を補足しますと、布田川・日奈久断層だけではなくて、本当に敷地の近傍にある活断層、それとか、さっき言いました南海トラフとか、こういったものを全て評価した上での基準地震動を設置してございますので、その中で長周期地震動というのは、非常に高いレベルの長周期地震動も想定した上で機器等の評価をしているということでございます。
○記者 ありがとうございます。すみません、確認なのですが、階級4でも安全性に問題はないと。布田川・日奈久断層帯で、長周期領域で卓越が見られるということは、既に川内原発の審査のときに入っておりましたので、階級4でも問題はない。
○小林長官官房耐震等規制総括官 そのとおりでございます。
○記者 階級4でも問題ないと。わかりました。ありがとうございます。
 最後に1点なのですが、川内原発を止めてほしいという要望が原子力規制庁に来ていると伺っておりますが、具体的にどれくらい来ているのかということを、もしカウントしておられれば教えていただきたいのです。
○総務課長 総務課長ですけれども、具体的に私どもで地域の要望は把握しておりません。
○記者 来ていることは来ているのでしょうか。メールや電話など。
○総務課長 確認します。
○記者 わかりました。ありがとうございます。
○司会 ほかにございますでしょうか。
 では、後ろの。
○記者 愛媛新聞のマツモトです。
 1点だけ。委員会で震源域の移動が懸念されるというのがありましたが、伊方原発近くにある中央構造線については、どのように見ておられたりしますでしょうか。気象庁の方になるかもしれないのですが、どうでしょうか。
○田中委員長 中央構造線は、伊方原発の審査の際は中央構造線の地震動が一番懸念されて、それについては十分検討させていただいているということです。
○司会 ほかにございますでしょうか。
○記者 西日本新聞のクロイシと申します。
 先ほど原発を規制委として止めるかどうかというところの話で、仮に1キロ、2キロの近くの断層が動いた場合というふうなお話がちょっとありましたけれども、仮に自動停止する前に規制委員会が予備的に止めるというふうになった場合は、近くの断層でかなり地震があった場合以外に、どういった場合が考えられるのでしょうか。
○田中委員長 地震ですか。地震に関してですか。
○記者 地震に関してです。
○田中委員長 ほかの要因ではなくて地震に関してですか、今の御質問は。
○記者 そうです。地震で。
○田中委員長 当然、敷地近傍での地震の程度によっては、そういうことは、今後の予測も含めてそういう判断をする場合はあると思いますが、ただやみくもに近いから止めるということではなくて、当然、そこは評価をして、止めていただくという場合はあると思います。
○司会 ほかにございますでしょうか。では、前の方。
○記者 TBSラジオのサキヤマと申します。
 1点簡単にお伺いします。情報発信を改善する、今後していくということですが、その情報発信の中は、例えば加速度がいくらだとか、断層の距離がいくらとか、そういういわゆる分かりにくい、さっき委員長が言われた分かりにくい話ではなくて、先ほどから質問が出ているような、なぜ止めないのかとかいったことに対する答えとか、そういったものも情報に含まれるとお考えでしょうか。もちろん我々も、私も伝えますけれども、原子力規制委員会から直接情報として出す場合もあり得るのではないかと思ったのですが。
○田中委員長 なぜ止めないのかという御質問、御懸念に対しては、今こういう状況であるから止めないというようなことも含めて、情報発信をする必要があるかもしれないということで、どういう発信の仕方をするかというのは非常に難しいのですけれども、そこは少し検討させていただく。
○記者 その難しさというのは何に対する難しさですか。
○田中委員長 要するに、こういう理由で、どうして止めないのかといったら、これだけのマグニチュードが予測されますが、こういう距離があって、Ssに関してとか、いろいろなことと照らし合わせてこうだからという話をしないといけないので、そういったことを言っても、今おっしゃったように、非常に分かりにくいということになりますので、そこをどういうふうに分かりやすく発信できるかということについては、少し工夫させていただく必要があると思っています。
○司会 ほかにございますでしょうか。
 後ろの女性の方、まだ初めてですので。
○記者 IWJのギギといいます。よろしくお願いします。
 今回の熊本地震で九州新幹線が脱線し、高速道路も通行止めになりました。住民の避難計画では新幹線や高速の利用が含まれていたと思いますけれども、原子力規制委員会が直接の責任者ではないと思いますが、停止せず稼働したままでいいという根拠を示されているので、この点、どうお考えになっているかというのをまずお聞かせください。
○田中委員長 それは内閣原防の方で多分お答えしていると思いますので、私の方から申し上げることではないと思います。ただ、要するに、そういったある程度、土砂崩れが起こるとか、いろいろなそういう問題が起こる、複合災害が起こるということを前提とした避難計画を作っていただいているのだろうというふうに思っています。○司会 ほかにございますでしょうか。
○記者 すみません、関連して。同じ答えになってしまうかもしれないのですけれども、もし、例えば今回、自治体からこの地震を受けて、避難計画の前提の一部が崩れたという判断で計画を見直したいと、一度川内原発を止めてくれないかともし仮に要望があった場合、それはもちろん政府の判断・検討になるということですよね。
○田中委員長 要望がどこからどういうふうに出てくるかよく分かりませんので、私、今、何も答えることはできませんですね。
○司会 ほかにございますでしょうか。後ろの方。
○記者 フリーのジャーナリストのニシナカと申します。
 今回の熊本の地震というのは、本当にその活断層で起こること自体が非常に突発的に感じた、予測もできなかったわけですし、なおかつ、複数の断層がかかわっている。それから、中央構造線の末端で起きているのではないか、あるいは南西方向に動くのではないか、余りにも予測不可能なことが多いですし、実際、地震が起こった時に、どれだけのガルで動くかとか、地質がどうこうといっても、複数が絡み合ったときにどういう土壌が崩れ方をするか分からないというのが実際の現状だと思うのですけれども、その中で、今、川内原発にしても、それから伊方の原発にしても、非常に机上の空論、机上的な計算でしか物事を判断しないというふうに見て取れるのですけれども、今回の現場、地震の現状を見て、あるいは火山も噴火するかもしれない。そういう現状を見て、今までの本当に審査の在り方でいいのか。
 安倍首相なんかは、もう前々から世界一厳しい基準でということを言っているわけですが、それに対してもこの規制委員会はそうではないということをはっきり言わないと、それこそ国民に対して誤解を与えることになると思うのですが、今までの政府と規制委員会の関係、それから、今の熊本の現状を見て、やはり規制委員会の在り方を改めるべきではないか。そういう政府との関係を改めるべきではないかと思うのですが、その辺、基本的な考えをお聞かせください。そこから払拭しないと国民は絶対安心しないと思います。
○小林長官官房耐震等規制総括官 耐震総括官の小林でございます。
 ちょっと誤解を解く意味でも私の方から最初にお答えしますけれども、例の布田川・日奈久断層ですね、これについては、今、部分、部分が活動しているのですね。それで7.3とか6.8とか、そういう地震動になっております。
 私どもの審査の中で、川内原発の地震動については、これが全体が一度に動くと、一遍に動くということでマグニチュード8.1という非常に大きな地震動を考えています。それを含めた上で、それを評価した上で最後に川内原発としての地震動を決めていますので、だから、一遍に動いたという非常に、言ってみれば、予想できないようなことも予想して地震動を決めているというのが今回の審査の結果でございますので、その辺、ちょっと説明不足のところもあるかもしれませんけれども、十分お含みおきいただきたいというふうに思います。
○記者 今言ったように、マグニチュード8.1といったような数字だけの上での話で、実際に起こる地震の現場というのは全然違う動き方で、気象庁も予測できないような動き方をするわけですよね。そこはどう考えていらっしゃるのでしょうか。
○小林長官官房耐震等規制総括官 すみません、気象庁の発言というのはよく御存じですか。今後のことはよく分からないという発言であって、地震動が予測できないとか、そういうことではございません。今までのいろいろな実績を踏まえて、マグニチュード8.1の断層について、どういう動きをするかというのを評価した上で、最後に川内原発の基準地震動を決めているということでございますので、動きが分からないとか、そういうことではなくて、きちんとそういったものを評価した上で地震動を決めているということでございます。
○田中委員長 気象庁も責任がありますので、どの場所でいつごろ起きるかというところまでは正確に予測はできないと、そういうことを含めて言っているのであって、予測できないというと、何もかも分からないというふうに捉えるのは間違いだということを申し上げたいと思います。それは科学者として、やっぱりそういう点できちんと分かっていることと、分からないことを区別して発言するのだけれども、分からないというところについて、不明だというところ、判断できないというところだけが捉えられがちなのですが、そういうことは必ずしも正しい理解ではないと思います。私どもはそういうことを踏まえて、不確実性も踏まえて、先ほど小林さんの方からあったように、最大の不確実性を踏まえて評価しているわけです。M8.1というのはそういうレベルの評価だというふうに理解していただいたらいいと思います。
○記者 ほかにございますでしょうか。前の方。
○記者 フリーのタケウチと申します。
 今、委員長の方、不確実性を踏まえて評価をされているということなのですけれども、福島原発の事故のときに「想定外」という言葉がたくさん出ましたけれども、今回また「想定外」という言葉が出てしまったら、もう国民は本当に不安になるし、許せなくなると思うのですね、この評価がですね。ですので、そこのところ、「想定外」という言葉はもう言わないというようなことでの御評価だったということでしょうか。
○田中委員長 はい。想定外ではありません。想定内で判断しています、全て。想定外ということを言わない、言うつもりはない、言ってはいけないということは肝に銘じて我々も規制をしています。
○記者 ですので、今、国民の中で起こっている懸念ですね、その懸念に対して、本当に起こってしまったときに想定外だったというふうにはおっしゃっていただくことはできないかと思うのですけれども、そこら辺の責任といいますか。
○田中委員長 今の熊本地震がどういう進展をするかというところは気象庁も言っていますけれども、その範囲でどういう状況が起こっても、今の川内原発について、想定外の事故が起きるというふうには判断しておりません。
○司会 ほかにございますでしょうか。アベさん。
○記者 日経新聞のアベです。
 先ほどの質問の続きになってしまうのですけれども、川内原発現地での安全確認について1点教えてください。今、検査官が入ってやっているというお話がありました。こうして熊本地震がまだどうやって収束するか分からない中で、今の状態が続いた場合に、より検査官をこれから増やすとか、そういったことというのは今後考えられるかどうかという点はいかがでしょうか。
○田中委員長 今、検査体制はどうなっていますかね。かなり、ある意味では、いつもより評価されていると思いますけれども。
○市村原子力規制部安全規制管理官(PWR担当) 管理官の市村でございます。
 皆さん御案内のとおり、現地には保安検査官というのが常駐をしていて、日々、保安調査ということで巡視・点検をしてございます。今の時点でその日々の保安調査をしっかり続けておりますので、この体制を今変えるという状況にはございませんけれども、これをしっかりやっていくと。
 それから、事業者ももちろん社内の手続を整えて、震度が相当程度低い場合でも巡視・点検を事業者もしているということで、そういう形で現場の確認というのは日々しっかりなされているという状況でございます。
○記者 あともう一点だけよろしいでしょうか。伊方原発についてなのですけれども、今、使用前検査ということで進めていらっしゃるところだと思います。これが7月下旬を今めどにされていると思うのですが、震源は北東の方にもちょっとあって、昨日は伊予灘でも地震があったかと思います。こうした中でこうした使用前検査への影響という点では、今の時点でどのように考えられていらっしゃいますでしょうか。
○市村原子力規制部安全規制管理官(PWR担当) 管理官の市村でございます。
 現時点では予定どおり使用前検査を続けるということで、支障が出たり、あるいはその予定を変更するという状況ではございません。
○司会 最後の質問にしたいと思いますので、よろしくお願いします。
○記者 訂正と確認と関連した質問をお願いします。
 まず、私、さっき注目していらっしゃる「国民」という言葉を使いましたけれども「国民も含めて影響の及び得る範囲に住んでいらっしゃる全住民」という言い方に改めます。
 あと、さっきの質問の中に、これは確認なのですが、規制委員会に対して止めてほしいという一般市民、その他からの要望は1件もないという確認でよろしいでしょうか、今のところ。
○松浦総務課長 現時点で私の方へは入ってきていませんが、ホームページなど、また、Eメール等で来ているかもしれませんので、そこは確認させていただきます。
○記者 それはまだ未確認ということですね。
○松浦総務課長 まだ未確認の部分がございます。
○記者 分かりました。
 私も今日は取材として参っていますが、そういうことでしたら、一個人に立ち返った場合に、仲間にも呼びかけて、ですから、これはもう予測ですけれども、おそらく止めてほしいという声が少ないなら届けようという声が殺到すると思います。
 その場合ですが、止める判断をなさらないとおっしゃられたので、止める判断をなさった場合に、いろいろな要望や、もちろん科学的な提言も含まれていると思うのです。だから、止めてほしい。そういうことが殺到した場合、実際、では、止めるという判断をなさった場合、やはり止めた方がいいだろうという判断をなさった場合、どういうふうな権限があるのか。本当に基本的な質問で申し訳ないですけれども、もう一度確認させてください。
 やはり福島でも、津波がなくても、地震だけだった場合に何が起きていたのかはまだ判断がついていないですよね、規制委員会さんとしては。それとも津波がなければ福島は無事だったはずだという科学的根拠があるなら、教えてください。
 そうでないのなら、いくら8.1でも耐え得る原子炉だと口で説明されても、実際、原子炉をその威力で揺さぶった経験をお持ちではないわけですから、やはりここは止めた上で、もうしばらく九州の振動が落ちつくまで、せめて経過を見るためにも止めておいていただきたいのがやはり僕を含めた大多数の意見だと思うのですが、それが果たしてそういう提言ができないのなら、その理由をおっしゃってください。こういう判断を規制委員会がした。やはり止めるべきだという判断をしたというだけでも十分政治的な影響力はあるし、それがやはり納税者の要望でもあると思うので、そこのところ、できるのか、できないのか、どこまでできるのか、お答えください。
○田中委員長 どこまで答えていいのか。だいぶ大演説をされたのであれですけれども。原子炉規制法上は安全上重大な懸念がある場合には止める権限があります。でも、それは根拠がなく、そうすべきだという皆さんのお声があるから、そうしますということは、するつもりはありません。政治家に言われても、そういうつもりはありません。
○記者 根拠があれば。
○田中委員長 根拠が科学的に我々が納得できるものでなければ、そういう判断はしません。
○司会 よろしいでしょうか。
 それでは、本日の会見はこれで終わりにしたいと思います。お疲れ様でした。


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