[2016_04_09_02]原燃・埋め込み金具 施工不良216カ所に 大林、熊川組JV担当(東奥日報2016年4月9日)
 
 日本原燃は8日、六ヶ所再処理工場の地下溝内で配管を支える埋め込み金具に施工不良があった問題で、基準の長さを満たさないなどの施工不良が現時点で216カ所に上り、施工したのは大林組JV(共同企業体)と熊谷組JV(同)だったと発表した。原子力規制委員会に同日報告した。
 原燃は2003年に金具を壁面に固定するネジ部分が切断されているのを確認し、工場内を一斉点検したはずだったが、昨年8月に切断された金具が壁面から浮き上がっている施工不良1カ所を発見した。当時の点検について、原子力規制庁は「手抜き調査だった」と指摘している。
 原燃は03年の点検記録で健全性が確認できなかった14万3千カ所で超音波探傷試験を昨年10月から実施。これまでに1万599カ所の健全性を確認したものの、216カ所はネジが短かったり、曲がっているなど仕様を満たしていなかった。
 施工不艮216カ所の内訳は大林組JVが199カ所。熊谷組JVは17カ所。原燃がJV側に聞き取りするなどした結果、大林組は@不適切との認識を持ちながら施工したA意図的ではないが壁面内の鉄筋を避けるために曲げた−の2ケースがあった。熊谷組は、付け忘れた箇所に金具を後付けしたため切断や再溶接を行ったと推定した。施工不良のうち91カ所で補修工事を実施し、残りは仮設サポートで補強したという。
 超音波探傷試験の実施は全体の10%未満にとどまる。原燃広報部は「いまは設験を優先しており、JV側への損害賠償請求などは考える段階にない」と語った。   (阿部泰起)
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