[2016_03_03_03]高浜4号緊急停止に批判が相次ぐ 県議会常任委「国民信頼損ねた」(福井新聞2016年3月3日)
 
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高浜4号緊急停止に批判が相次ぐ 県議会常任委「国民信頼損ねた」


 関西電力高浜原発4号機(福井県高浜町)の原子炉が緊急停止したトラブルを受け、1日開かれた福井県議会厚生常任委員会では委員から「県民、国民の信頼を大きく損ねた」「国の審査が甘かったのではないか」などと批判が続出した。県と県議会は、原発に対する国民理解が重要として再稼働に同意しただけに、国民の信頼を失いかねないトラブルを厳しく糾弾した。

 自民党県政会会長の山岸猛夫委員は「昨年の12月議会であれだけ多くの安全対策などを議論して再稼働に同意したのに、安全性の面で県民や国民の信頼を大きく損ねた」と厳しい口調で非難した。

 2月20日の1次冷却水漏れ、同29日の原子炉の緊急停止と4号機でトラブルが続いたことを「重大に受け止めなければならない」とし、今後、原子力規制委員会の判断を慎重に見守る必要があると指摘した。

 細川かをり委員(無所属)は「信用失墜の事象」と断じた上で、「国民がこれほど注目し、国や県がここまでチェックしてもトラブルが起きた。(点検する設備の)重要度分類が甘いか、規制委の書類審査に限界があるのではないか」と指摘し、点検の範囲や審査体制を問題視した。

 西本恵一委員(公明党)は1次冷却水の漏えい問題について「ボルトのちょっとした緩みだけで放射能を含む水が漏れてしまう。なぜ緩まないよう、きちっとしていないのか」と関電の対応を疑問視。県に厳格な監視を求めた。

 「再稼働した初っぱなにトラブルが起き、国民理解は得られない」(糀谷好晃委員=民主・みらい)といった声も出た。

 県の櫻本宏安全環境部長は2度のトラブルについて「県民、国民の原発に対する信頼を損ねるものと思っており、極めて遺憾」と述べた。原子炉の緊急停止の問題に関しては「法令事象となっており、規制委がしっかりと判断すべきだ。重要度分類に問題があるかどうかも含め、厳格な対応が当然求められる」と指摘。県としても全力を挙げて対応すると強調した。

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