[2015_12_18_01]福島第一原発 「遮水壁」設置で汚染水さらに増加(NHK2015年12月18日)
 
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福島第一原発 「遮水壁」設置で汚染水さらに増加

 東京電力福島第一原子力発電所では、護岸沿いに「遮水壁」と呼ばれる壁を設け、汚染された地下水が海に流れ出すのを抑えていますが、せき止めた地下水の大半を浄化設備に流すことができず、汚染水がさらに増えるという新たな課題が起きていることが分かりました。
 福島第一原発では、ことし10月、護岸沿いに「遮水壁」と呼ばれる鋼鉄の壁が設けられ、汚染された地下水が海に流れ出るのを抑えていて、せき止めた地下水の多くは放射性物質を取り除いたうえで海に流す計画でした。
 ところが東京電力は、18日に開かれた原子力規制委員会の会合で、「遮水壁」の周辺などからくみ上げた地下水を、海ではなく建屋内に1日当たり400トン入れていることを報告しました。その理由について東京電力は、護岸沿いの地下水には海水が混ざっていて塩分が濃く、浄化設備に流すことができないほか、くみ上げる量が想定以上に多くなったことを挙げています。
 一方で東京電力は、建屋の周辺にある「サブドレン」という井戸から地下水をくみ上げる対策などで建屋内に流れ込む地下水を当初の1日400トンから200トンに抑えたとしていますが、遮水壁の周辺からくみ上げた地下水を建屋内に流しているため、汚染水の増え方がかえって早まるという新たな課題となっています。
 東京電力は、「今後、上流での地下水のくみ上げ量が増えていけば、護岸でくみ上げる地下水の量は減っていくほか、水質の変化を見ながら浄化設備に流す量を増やし、汚染水の増加を抑えたい」としています。

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