[2014_11_08_02]「川内原発」再稼働を急ぐ鹿児島県知事と九電の“蜜月関係” (日刊ゲンダイ2014年11月8日)
 
参照元

「川内原発」再稼働を急ぐ鹿児島県知事と九電の“蜜月関係”

 鹿児島県の伊藤祐一郎知事が7日、九州電力「川内原発」の再稼働に同意する考えを明らかにした。福島原発事故後に作られた新規制基準の適合性審査を受けている全国13原発のうち、立地県の知事の同意は初めてだ。

 再稼働に反対する約400人の県民が庁舎や議会棟に押しかける“厳戒ムード”の中で行われた会見で、伊藤知事は「状況を総合的に勘案し、再稼働はやむを得ない」と強調。“苦渋の決断”のようなそぶりだった。

 ただ、「川内原発」は原子力規制委員会が新基準に適合すると判断したものの、工事計画の審査は継続中だ。伊藤知事は、安全性について「ある程度約束されるなら」なんて言っていた。だが、一度事故が起きれば「ある程度」の被害じゃ済まないから住民は猛反対しているのだ。「判断が拙速」との批判が続出している伊藤知事はどんな人物なのか。

「東大卒業後、旧自治省現総務省に入省。石川県の財政課長に出向し、北陸電力・志賀原発の立地計画に携わったことで原発に詳しくなったようです。知事は現在3期目で、県庁内では『原発知識は庁内で一番』といわれています」鹿児島県政担当記者

■九電は伊藤知事のパーティー券を購入

“原発通”のトップを電力会社が放っておくハズがない。案の定、伊藤知事と九州電力はズブズブの関係のようだ。

「九電は、伊藤知事の資金管理団体が08年4月に鹿児島市内で開いた資金パーティーの券を購入しています。09年には川内原発3号機の増設を県に申請する時期にミュージカルのチケットを知事に渡し、夫婦そろって観劇していたことが問題となりました。九電は『事実上の企業献金』との批判を受けて今はパーティー券購入などはやめているようですが、東電・柏崎刈羽原発の再稼働に慎重な新潟県の泉田裕彦知事とは正反対です」経済ジャーナリスト

「原発いらない!九州実行委員会」の青柳行信氏はこう言う。

「伊藤知事は『再稼働の同意を得られた』と言っていますが、賛成派の意見を都合よくまとめているだけ。県民説明会の開催を要望しても聞く耳を持ちません。説明会を開けば、原発の問題点が逆に周知されるからです。だから再稼働を急ぐのでしょう」

 会見は再稼働ありきの茶番に過ぎない。

KEY_WORD:SENDAI_:_