[2014_10_08_01]成功例の評価も大事 元福島第1原発ユニット所長・吉澤氏 六ヶ所で安全対策提言(東奥日報2014年10月8日)
 
 日本原子力学会東北支部主催の東北原子力シンポジウムが7日、六ヶ所村文化交流プラザ・スワニーで開かれた。東京電力福島第1原発事故発生当時、同原発ユニット所長だった吉澤厚文氏が講演し、原発の安全対策として「福島で成功した施策を評価する事も大事」と提言した。
 シンポジウムには、電力関係者や同村職員など約100人が参加した。吉澤氏は、事故当時、同原発の故吉田昌郎所長とともに事故対応に当たった。現在は、原燃輸送(東京都)の社長を務めている。
 吉澤氏は「福島原発事故の現場体験から見えてきたもの」と題し講演。「マニュアルが役に立たず、設備が動かない。状況を打開したのは全て人″だった」と当時の状況を振り返った。
 また、事故時に重油タンカーが迅速に避難した事例などを挙げ「対応に成功し、被害が出なかった部分が世間に知られていない」と指摘。「失敗を繰り返さないための再発防止策だけでなく、成功を繰り返す可能性を高めることも肝要」と強調し、緊急時に必要な技術の整理や、人員面での役割の再定義を呼び掛けた。(永野悠太)
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