[2014_10_04_02]地震・津波 想定引き上げ 福島第1原発 東電、廃炉へ対策(東奥日報2014年10月4日)
 東京電力は3日に開かれた原子力規制委員会の会合で、福島第1原発の廃炉作業中に起きる地震や津波に備えるため、想定する地震動を最大加速度900ガル、津波の高さを最高水位26・3メートルに引き上げることを明らかにした。規制委が想定の妥当性を判断する。
 第1原発では、東日本大震災前の基準地震動の600ガルや、最も懸念される津波の高さ14メートルを便宜的に用いている。規制委は昨年7月施行の原発の規制基準に準じた地震動と津波の高さの算定を東電に求めていた。
 東電は新たな想定の地震動にも、原子炉建屋は耐えられるとの見通しを示した。
 一方、新たに想定した津波が到達すると、海側トレンチ(地下道)を通じてタービン建屋地下から高濃度汚染水が流出する可能性に言及。汚染水を抜いてトレンチを埋めることで、津波の襲来で流出する放射性物質を、埋める前の3割程度に減らせるとの試算を示した。
 ただ抜き取りに向けた作業は難航しており、規制委はこの日の会合でも対策を議論。2号機タービン建屋との接続部の凍結止水工事で9割程度しか完成していない「氷の壁」について、3種類の止水材で穴をふさぐ東電の追加策を了承した。
 東電は11月初旬ごろまでに対策を終え、抜き取り作業に着手したいとの意向を示した。
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